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特集「ベストコレクション」

2020年7月30日

特集「真夏の夜は7月のベストコレクション」⑨ 
ハーレイ・クインの華麗なる覚醒/BIRDS OF PREY(上)(2020年 アクション・コメディ映画)

監督 キャシー・ヤン

出演 マーゴット・ロビー/メアリー・エリザベス・ウィンステット/ジャーニー・スモレット=ベル/ロージー・ペレス

シネマ365日 No.3277

不条理こそ我が友

特集「真夏の夜は7月のベストコレクション」

アクション・ヒロインのニュータイプかもね。これまでのアクション・ヒロインのほとんどは、歯を食いしばり、ミッション遂行を是とする生真面目な正義派でした。それがよく似合う女優たちでした。元祖シガニー・ウィーヴァー(「エイリアン」)、ミラ・ジョヴォヴィッチ(「バイオハザード」)、シャリーズ・セロン(「アトミック・ブロンド」)、ジェニファー・ロレンス(「ハンガー・ゲーム」)、ジーナ・デイビス(「ロング・キス・グッドナイト」)、リンダ・ハミルトン(「ターミネーター」)…本作のハーレイ・クインとなると、我が身がやばくなると簡単に味方を見捨てる。男(ジョーカー)の後ろ盾がなくなれば、ブイブイいわしていたツケが押し寄せ、出会うやつ全てに仕返しされる、人望ゼロ存在▼パンクでクレージーなハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)がジョーカーといるときは手を出さなかった男、ゴッサム・シティのギャング・ローマン(ユアン・マクレガー)が、ハーレイを捕まえ、腹いせに殺すつもりだった。ハーレイは彼が欲しがっている、大金のありかを記したダイヤを探し出してやると約束し、その場を逃れる。ダイヤは町の少女スリ、カサンドラがかすめ取っていた。彼女はゴッサム市警に捕まり拘留されている。このダイヤ奪還をめぐり、それぞれの思惑の絡んだ女4人が共闘する。手柄をみな男性上司に横取りされ、いつまでもヒラのままウツが高じる刑事レニー(ロージー・ペレス)、ローマンのキャバレーの歌手だが、彼のやり口にウンザリしているダイアナ・ランス(ジャーニー・スモレット=ベル)、家族全員をローマンに殺され、復讐の鬼となったハントレス(エリザベス・ウィンステッド)▼彼女らには得意技がある。ハーレイは体操選手のような身軽でレニーは街で鍛えたボクシング、ハントレスは弓を使う殺人マシーン、ランスは足技が得意だが、奥の手はガラスをぶち破る超高音ボイス。頭がよくて賢いが“世のため、人のため”の責任感ゼロ。無理ない。ハーレイはゴッサムのボス、ジョーカーに頼って好き放題してきたから、いきなり一人で生きていかねばならなくなっても、できることは犯罪だけ。レニーは警察組織のガラスの天井で窒息寸前、ランスは報われない自分にニヒルだ。ハントレスは幸福な家庭を破壊したギャング一味の抗争と、それを許している社会への憎しみの権化である。言って見れば思うままにならない世の中、自分を苦しめる不条理こそ、我が隣人、我が友という環境で人となった女たちばかりなのである。

 

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