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特集「ザ・クラシックス」

2020年8月13日

特集「ザ・クラシックス9」② 
わかれ路(1994年 恋愛映画)

監督 マーク・ライデル

出演 リチャード・ギア/シャロン・ストーン/ロリータ・ダヴィドヴィッチ

シネマ365日 No.3291

ギアさま、役得 

特集「ザ・クラシックス9」

公開(1994)されてから26年もたつのね。リチャード・ギア45歳、シャロン・ストーン36歳。仏映画「すぎ去りし日の…」のリメイクですが、本作もこれはこれでよかったです。元妻サリー役のシャロン・ストーンも、愛人役のロリータ・ダヴィドヴィッチも年齢相応の落ち着きで好演です。建築家のヴィンセント(リチャード・ギア)は妻と別居、だが職場は一緒。娘ミーガンは13歳。ヴィンセントは可愛くて仕方ない。わかれた理由は「会社と結婚したようなものだ。子供付きで」。妻はシャキシャキのキャリア・ウーマンだ。実家は名士、父親のコネで、夫に超一流の注文主から仕事を次々とってくる。家の中でも外でも妻に仕切られて、へたってしまったのが実情ね▼ヴィンセントの恋人オリヴィア(ロリータ・ダヴィドヴィッチ)はジャーナリスト。鋭い切り口で彼女の記事はファンが多い。どっちもやり手のいい女ですが、肝心の男の腰が決まらない。オリヴィアと暮らすためにバンクーバー島(舞台はカナダ)に家を新築する計画を立てたが、妻への愛情も振り切れない。ヴィンセントの回想とともにストーリーは進みます。彼が設計した美術館のセレモニーに不意にオリヴィアが現れたことで男は動揺。みっともなくもハラハラし「ここは君のくるところじゃない」などと、恋人に言ってはならぬ言辞を吐いて女を追い返す。その夜オリヴィアあてに別れの手紙を書いた。「僕らはやはりうまくいかない。面倒な立場にいない別の男を探してくれ。妻子のいる男と別の人生など」云々。夜通し車でさまよい、手紙を投函しようとした。牛乳配達のトラックを運転する祖父と孫娘に会う。女の子は小さなパンを差し出し「おじさん、食べて」。赤毛の女の子にヴィンセントはオリヴィアを思い浮かべる。心を決めよう。公衆電話からオリヴィアの留守電に「結婚して子供をつくり、あの家を建てよう。いますぐ車でベッドフォードに行き、待っていてくれ。僕には君が全てだ。眠っていなくてヨレヨレだ。いま8時15分すぎ。僕はヴィンセント・イーストマン」。手紙はカバンにしまった▼オリヴィアは留守電を聞いて涙を流す。そして出発。何もない一本道で車が事故っていた。クレーンで引き上げられているのはヴィンセントの車だ。サリーは警察からの電話で事故を知った。病院で女二人は出会い、ヴィンセントの死を知る。遺品のカバンの中から妻は、オリヴィアに宛てた別れの手紙を読む。オリヴィアはヴィンセントが残した「結婚して子供をつくろう」を胸に刻んでいる。サリーは手紙の内容を知らせず、オリヴィアも電話の伝言を言わない。どっちも最後まで愛されていたのは自分だと信じさせて男は死んだわけ。お互いをかばって胸ひとつに収めた大人の女たちがいいわね。リチャード・ギアは役得よ。マーク・ライデル監督は「女狐」に共通する映像の静けさと美しさで、本来ヘタレ男の地べたを這う、身も世もあらぬジレンマを「とてもいい男」に見えるよう描いています。

 

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