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特集「新宿2丁目を連れて歩きたいボーイフレンド」

2020年9月3日

特集「新宿2丁目を連れて歩きたいBF5」③ エドワード・ノートン2 
マザーレス・ブルックリン(下)(2020年 社会派映画)

監督 エドワード・ノートン

出演 エドワード・ノートン/ブルース・ウィリス/ダグ・バサ=ロー/ウィレム・デフォー/アレック・ボールドウィン

シネマ365日 No.3312

僕をブルックリンと呼んだ 

特集「新宿2丁目を連れて歩きたいBF5」

フランクが掴んだモーゼスの秘密とはこうだった。ホテルの客室係りだった女性をレイプし、生まれた子がローラだった。モーゼスの兄ポール(ウィレム・デフォー)に言わせると「弟は優秀すぎた。能力が劣る者を憎み、感情さえ失い、権力に酔った。理想主義者を軽蔑している。ニューヨークを改革する市民の味方は偽りの仮面だ」。ローラの母親への扱いにしても「生まれるべきでなかったクズみたいな女や、君のケチなボス(フランクのこと)や私の兄が、達成すべき私の仕事を邪魔しようとするなら、権力について学べ。そいつらなど見えない、存在しないのだ」こんな男が黒人やラテン系を嫌うニューヨーク中産階級のためにせっせと都市整備し、公園を作り市長よりも大きな権力を持っている▼フランクはローザの出生をネタにモーゼスを脅し失敗した。モーゼスにとってはローザも邪魔だ。ライオネルはモーゼスと決着をつける。「お前の都市開発は好きにしろ。ピラミッドでも建てろ。でもローザには手出しするな。彼女に何かあればお前がしたことを公表する。もう一つ、お前の部下の副局長は問題になるぞ。スラム開発業者の半分と関係して巨額の金を受け取っている。奴を切る時に伝えろ。フランクの復讐だと」。ライオネルはローラと、フランクが遺してくれた小さな家にきた。「死んだ後のことまで、あなたのことを考えていたのね」。「フランクはいつも僕を名前では呼ばなかった。ブルックリンと呼んだ。マザーレス・ブルックリン(母親のいないブルックリン)と。彼はいつも言っていた。ブルックリンは広いが、もっと広いものがあると」「きっとこのことね」。二人の前には広い大西洋が広がっていた。その海がラストシーンです。胸に染み入るジャズ、やさしかった母親の記憶、茫々と広がる果てのない海。1950年代を再現したペンシルベニア駅のノスタルジア。これら詩的感性の乾いた使い方が幾重にも本作を重層的にしています。弟の才能に嫉妬する世を拗ねた負け犬を、ウィレム・デフォーが好演しました。言い忘れていた。ライオネルが思い出したキーワードが「帽子」でした。「妻に帽子を…」とフランクは言い残したのですが、妻は夫の遺品に見向きもしない。仕方なくライオネルは古びた帽子とコートを譲り受ける。帽子とは…。中を探るとロッカーのキーがあった。ペンシルベニア駅のロッカーに、フランクは写真、出生証明書などの証拠一式を隠していた。黒いハットと古着のコートで、ライオネルが、ハドソン川の夕景を背に、真冬のブルックリン大橋を歩く。このシーンもなかなか絵になっていました。

 

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