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特集「新宿2丁目を連れて歩きたいボーイフレンド」

2020年9月5日

特集「新宿2丁目を連れて歩きたいBF5」⑤ チョウ・ユンファ1 
プロジェクト・グーテンベルク 贋札王(2020年 ミステリー映画)

監督 フェリックス・チョン

出演 チョウ・ユンファ/アーロン・クォック

シネマ365日 No.3314

満足できます 

特集「新宿2丁目を連れて歩きたいBF5」

国際的贋札づくりの集団を束ねる謎の男「画家」(チョウ・ユンファ)が初めて登場する場面。後ろ姿だ。藤色のような薄紫のスーツを着ている。声でチョウ・ヨンファとわかるが、問題は「藤色」。かつてムラサキ色の服を着て現れた俳優が、寒気がするほど似あっていなくて(どう着こなしているだろう)やや心配で待つ。杞憂だった。振り向いたチョウ・ユンファの涼しげなこと。難しい藤色がいっそう彼を引き立てている。公開時、彼は63歳だった。男は年齢じゃない(女もそうだけど)、年齢が彼や彼女を損ねず、佇まいの変わらない人って好きよ。ストーリーは二転三転、回想シーンが入りやや冗長になったきらいはあるとしても、チョウ・ユンファの二丁拳銃のみならず、二丁機関銃まで乱射するガン・アクション健在。アーロン・クォックの陰気臭い顔に辟易したくなるころ、タイミングよくぶっ放されるアクション・シーンが心憎い▼贋作製造グループの一味として香港警察に逮捕されたレイ(アーロン・クォック)は、リーダーである「画家」の正体を厳しく追及され、出会いから話し始める。レイは贋作画家として稀有な技量を「画家」にスカウトされ、彼が仕切る贋作工房に加わった。原半版、紙、特殊インク、運送などの専門部門があり、「画家」が決めた厳しい掟通り行動する。強奪も殺害もやる。そむけば死だ。作るのは米ドル・100ドル紙幣。贋作チームは半年、田舎に引きこもり緻密な、忍耐を強いる作業に没頭する。贋金作りが微に入り細にわたって公開される。犯罪というよりアーティストのこだわりと技能が興奮モノである。「画家」の言葉は哲学的だ。「何事も極めれば芸術だ。俺は複製画家だ。専門家も見破れない親子3代続いた贋金つくりだが逮捕者を出したことはない。この世の中、主役になれるのは100万人に一人。まずは自分の舞台を探せ。買い手は時の有力者。最高の贋札は世界で最も愛される複製画だ」。しかし「画家」は工房の仲間全員を皆殺しにして秘密を守る。なぜか「画家」はレイを可愛がり、リゾート地の別荘まで買い与えていた、その別荘にいて殺しは免れたが、香港に戻った途端逮捕され、警察で追及を受けている▼ネタバレすると、「画家」とレイは同一人物。レイは架空の真犯人「画家」がいると見せかけ、巧みに捜査をすりぬけるつもりだった。あとはお定まりの逃走・追走劇ですが、チョウ・ユンファが登場しなくなって映画は失速。レイが恋人に「俺たちみたいな人間に本物が手に入るか。代替品があるだけでも感謝しないと。場合によって偽物は本物に勝る。極力本当らしく愛せば充分だ」。このセリフはどこか弱々しい。代替品に見立てられた女は情けなくて泣く。女にこんな情のないことを言うから、最後に爆死心中という目にあわされるのよ。「俺たちこそ最高だ。贋作は俺が命をかけた芸術だ。君がいてこそできた奇跡だ」くらい言っておれば、それこそリゾート地で悠々自適、警察は地球のどこにもいない「画家」を追いかけていたのよ。とはいえ、一時スクリーンからご無沙汰していたチョウ・ヨンファの復活に満足度100%。

 

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