女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「新宿2丁目を連れて歩きたいボーイフレンド」

2020年9月6日

特集「新宿2丁目を連れて歩きたいBF5」⑥ チョウ・ユンファ2 
男たちの挽歌(1987年 アクション映画)

監督 ジョン・ウー

出演 チョウ・ユンファ/ティ・ロン/レスリー・チャン

シネマ365日 No.3315

死にゆく者の美学 

特集「新宿2丁目を連れて歩きたいBF5」

主要人物は3人。香港マフィアの若頭ホー(ティ・ロン)とその弟キット(レスリー・チャン)、ホーの親友かつ組織の幹部マーク(チョウ・ユンファ)。キットが警察官になる夢を叶えるため、堅気になってくれと病床の父親に頼まれたホーは台湾での取引を最後にマフィアから足抜けすると決めた。取引は密告によって警察に知られており、ホーは同行した新人シンを逃し自首する。父親は何者かに襲われ殺された。マークはボスから報復を頼まれ乗り込んだレストランで一味を皆殺しにするが、膝を負傷し義足になる。3年後出所したホーは弟を訪ねる。父が殺されたのは兄のせいであり、身内に元ギャングがいる警察官は捜査チームに加えられないと上司に言われた弟は兄を恨み追い返す▼足が不自由になったマークは落ちぶれ、大幹部にのし上がったシンから雑役でこき使われていた。彼を支えたのは「今に見ろ」という復讐の一念だ。ホーの出所を「3年も待った。巻き返そう」と熱く訴えるが、堅気になったホーは応えられない。元受刑者たちを採用しているタクシー会社の社長は「足を洗うのは難しいが、一にも二にも忍耐だ」と励ます。シンは執拗な嫌がらせを続けホーを引き込もうとする。マークは凄惨なリンチにあった。シンと対決して倒すしかないと見たホーはマークとともに決戦となる埠頭に現れる。そういうところなのですけど、マークに比べたらホーやキットの影は薄いわね。結婚して妻もいて、幸福なキットは兄のおかげで昇進もできないと恨みっぽく、すぐカッとなり冷静さを失う。兄貴は弟の未来を妨げないため、最後の仕事を終えて街を去ろうという弟思いである。マークだけがアウトローだ。自分を犬にも劣る扱いをした奴らを許さない。屈辱は絶対に忘れない。ホーには恩がある。彼だけは見捨てない。彼はシンの贋札製造の証拠となる原版を奪い「弟に渡せ」とホーにリールを投げる。その手つきのスマートな事。こう言うところが、例えばアラン・ドロンの一瞥みたいなところが、真似できないのよ、他の人には▼埠頭での銃撃戦マークとホーは優勢のうちにシン一味を退け、ボートで脱出。「ホー、乗れ」着岸させたボートからマークが叫ぶ。「行け。あとで会う」マークは先に沖を目指すが、ホーが何をするつもりかわかっている。舳先を変え埠頭に戻るのだ。案の定現場にヒョコヒョコやってきたキットは捕まりシンを抑えたホーと捕虜交換となっていた。取り囲んだマフィアの銃口はアリの這い出る隙もない。その時だ、マークがマシンガンをぶっ放しながら上陸、気勢を制したが、ホーも銃弾に倒れていた。マークは弟の首根っこを捕まえ「よく見ろ。目をそらすな。兄貴は過去を充分償ったぞ。勇気ある男だ。なぜ許さない!」しかし彼は背後からの一斉射撃で蜂の巣になって死ぬ。兄貴は弟に逮捕させ自らに手錠をはめ包囲した警官隊の前に歩いていく。勇気と幸福を与える正しい道を歩む。いいよな。でも退屈な連中だ。特に愚痴っぽい弟にはイライラさせられる。本作の原型は日本映画の健さんの任侠もの、藤純子の「緋牡丹お竜シリーズ」にある。身を挺して守る信義、命を賭ける土壇場の勇気、死にゆく者の美学に国境はない。本作がジョン・ウー監督とチョウ・ユンファの世界進出のきっかけとなりました。「a better tomorrow」が原題ですが「男たちの挽歌」は邦題の傑作。

 

あなたにオススメ