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特集「幾億の星と幾千の月のシネマ・パラダイス」

2020年9月16日

特集「幾億の星と幾千の月のシネマ・パラダイス2」⑧ 
新・極道の妻たち 惚れたら地獄(1994年 社会派映画)

監督 降旗康男

出演 岩下志麻/山下真司/川島なお美/高島忠夫/世良公則

シネマ365日 No.3325

ハードボイルド女優 

特集「幾億の星と幾千の月のシネマ・パラダイス2」

岩下志麻姉御の極妻シリーズ8作のうち5作目。ショボかった前作を巻き返しました。ミナミに拠点を持つ御蔵組は小さいながら固い結束で代紋を守り現組長・村木俊作、(高島忠夫)で11代目。病弱な彼に変わり妻の芙由(岩下志麻)が内部を仕切っていた。大阪球場跡地再開発で動く100億の利権を狙う北の大組織・侠和会は、ヘリコプターから銃撃し、村木は即死、芙由も重傷を負う。報復戦を挑もうとする幹部を制し芙由は単身、侠和会本部に赴き挑発を制し手打ちを申し込む。志麻姉御は機関銃で撃たれるわ、指は詰めるわ、散々痛い目に合いますが抗争をこらえる。忍の一字、100億の金を手にすれば組みの組織は盤石にできると、将来構想を見据えています。ところが若い幹部たちは暴走する▼利権は侠和会に獲られ、主だった幹部は殺された。まとめ役だった清二(山下真司)が人質に取られ、芙由を殺さねば清二を殺すと脅された妻斎子(斉藤慶子)は芙由に銃を向ける。「わての負けや。お撃ち」という芙由を斎子は撃てず、蓉由は殺されたふりをするが、結局清二と斎子は車ごと谷に突き落とされ葬られる。一年後、全てを失った芙由は侠和会二代目法要に僧衣を纏って潜入、三代目の前に来るや袈裟を脱ぎ捨て短機関銃を連射、脇に居並ぶ幹部もろとも掃討する。会場騒然。そこで志麻姉御の口上である。この映画をみた人は多分彼女のこのセリフにいかれたと思うから書く。「ご列席のご一党さまに申し上げます。わたしは11代目御蔵組組長、村木俊作の妻、村木芙由でございます。極道の妻として、ただいまけじめをつけさせてもらいました」。内部の桎梏まで踏み込んで描いたのがストーリーを引き締めている。幹部のひとり啓太(世良公則)の妻・加奈代(川島なお美)は、「10年かかっても20年かかっても、御蔵の代紋を守るのが残った者の役目や」と決意表明する芙由に「ええ加減にしてください。わたしは啓太と一緒におれる今がいちばん幸せです。姐さんは死んだことにしておきます」「組、潰したままにしたら、刑務所に行った者は誰が迎える。死んだ者の家族は誰がみる」「うちの知ったことやあらしません」。その啓太も殺され、芙由は吹きすさぶ野中の一本杉。残された仕事は極妻の筋を通すことだけ…最後の襲撃は芙由の意地である。彼女は劇中「諦めのわるい、しつこい女や、わては」と言って凄愴に微笑む。日本のハードボイルド女優・岩下志麻の面目躍如。

 

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