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特集「幾億の星と幾千の月のシネマ・パラダイス」

2020年9月17日

特集「幾億の星と幾千の月のシネマ・パラダイス2」⑨ 
極道の妻たち 赫い絆(1995年 社会派映画)

監督 関本郁夫

出演 岩下志麻/宅麻伸/萩原流行/赤坂晃/渡辺裕之

シネマ365日 No.3326

絶滅危惧種への愛 

特集「幾億の星と幾千の月のシネマ・パラダイス2」

前作「新・極道の妻たち 覚悟しいや」の二番煎じみたいです(ラストのマシンガン銃撃シーンなど)。志麻姐さんの「極妻哲学」特に男に極道の美学を体現させねば気がすまない気性の強さに男たちは押しまくられる。本作の堂本組二代目を襲名した久村(宅麻伸)の、組の武闘派からソッポを向かれるヘタレぶりがそれ。彼女の極道一筋、お縄も受ければ刑務所にもいく、筋を通さねば死んだほうがマシという極め方は、軟弱をフレキシブルと、日和見を合理的解釈と称する男や女に真似のできる生き方ではございません。彼女は人間の希少種であり、絶滅危惧種であり、それゆえ人々は憧憬を以って彼女を愛するのだ▼大阪で一家を構える堂本組の一人娘・きわ(岩下志麻)と、三東会の組長・後藤修造(萩原流行)の対立が激化。きわの夫・久村修一郎(宅麻伸)の襲名披露の日、ホテルの着付け室できわが襲われ、久村は犯人を射殺した。堂本組幹部の村上(渡辺裕之)が罪をかぶり懲役12年、きわも傷害罪で5年の実刑となる。久村と離婚したきわは5年後、東京へ姿を隠し、久村は元ホステスの眉子と再婚し極道の妻たちからうとましがられる。久村はヤクザ色を払拭するため、銀行やゼネコンと組んで、泉南のドリームランド建設用地買収に取り組み、先代の家や土地を譲ってくれと頼むが、先代は「お勤め中」の村上に残すと一蹴する。東京で父の殺害を知ったきわは帰郷。夫の苦境を救おうときわに包丁を向け「権利書を出せ」と迫る眉子。背中に彫り物までして極道の妻になりきろうとした眉子の思いつめた行動に、きわは権利書を渡してやるがこう言い添える。「あんた、まだ堅気やな。惚れた男のために人を殺すのが堅気。筋を通すために惚れた男も殺すのが極道の女」▼ドリームランド建設は政権交代により白紙。用地買収につぎ込んだ数十億は取り返しがつかない。久村は当局の責任者を脅し、工事続行を装い三東会に堂本組の縄張りと権利を30億で売った。三東会は仁義を無視して堂本組根絶に出る。きわは久村に「組員はあんたの子や。見捨てるンか。三東会と話つけて代紋、取り返すのや。土壇場で逃げるような男に、惚れた覚えはあれへん」。久村の車が爆発し、黒焦げ死体の腕時計から久村の自殺と断定されたがきわは信じなかった。三東会の祝宴の席。芸妓に紛れたきわはマシンガンをぶっ放し後藤と幹部を血祭りにあげる。思い出の遊園地を訪れたきわは久村に会った。「やっぱり生きてたんやな。観覧車から飛び降りる、いうて、ぶら下がる人やからな。人間の絆ちゅうのは悲しいもんやな。地獄極楽紙一重や」そう言うとレボルバーを向け久村を射殺した。脱走までして後藤を狙った村上は失敗して取り調べ中、面会に来た情婦に舌を噛み切られるというあえない最期。ただ一人、若い男とリゾートにでかける眉子は大はしゃぎで「ハワイ行ってヨーロッパ行って、あちこち行って、その次は…刑務所やろな」豪快に笑いとばす。折しも空港ロビーのテレビが「きわ逮捕」を報じていた。

 

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