女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「ベストコレクション」

2020年9月26日

特集「遥けき空鳥渡る9月ベストコレクション」⑦ 
スキャンダル(上)(2020年 事実に基づく映画)

監督 ジェイ・ローチ

出演 シャーリーズ・セロン/ニコール・キッドマン/マーゴット・ロビー/ジョン・リスゴー

シネマ365日 No.3335

グサッと刺した言葉 

特集「遥けき空鳥渡る9月ベストコレクション」

アメリカで視聴率トップを誇る巨大テレビ局「FOXニュース」で2016年に起きた実話を描いた作品。「Me too」に先駆ける1年前だ。ベテランキャスター、グレッチェン(ニコール・キッドマン)は、同局会長のロジャー(ジョン・リスゴー)から満座の前で罵声を浴びた。「更年期の女は醜いブタだ」グレッチェンはクビ。ロジャーを提訴する。弁護士らは極めて困難なケースであり、君に味方する社員はいるかと訊く。グレッチェンは「いる」と答えるが少なくともこの時点で自信があったのかどうか、わからない。解雇の理由は「ロジャーの性的要求を拒否したから。2013年、朝の人気番組を降ろされ、ギャラをカット、視聴率の悪い午後の番組に異動させられた」提訴を聞いた局内は激震。「局はロジャーの味方だから、訴えても誰も信じない」「局を牛耳る男を変態と呼べ?」「局の全通信は監視されている。ロジャーが管理するホットラインで電話だって盗聴される」想像以上の独裁体制だった▼局の看板キャスター、メーガン(シャーリーズ・セロン)は複雑だ。彼女も10年前ロジャーからセクハラを受けた。「大抜擢をちらつかせた。新人だったし力添えがほしかった。でもこれを公表すれば自分の弱さを認めることになる。セクハラの看板を背負い込みたくない」。ロジャーも黙っていない。「グレッチェンは競争心が強く誰からも好かれない。私が長年守ってきてやった。彼女は終わりだよ」「ロジャーが私たちに欲望を? 男だから当然よ。でも私たちに機会と番組をくれた」。局内の「ロジャー派」は「チーム・ロジャー」を立ち上げそろいのTシャツを着てデモンストレーションした。「彼は支配的で執念深い男だけどいいところはある。末期ガンで終末期の社員に給料を払い、カミングアウトした社員にはナニをどこに突っ込もうと君の自由だと言った」▼セクハラをめぐりそれぞれの立ち位置が問われた。敵となりキャリアも職も失うか。セクハラを「よくあること」として無視、現状を維持するか。メーガンは態度を決めた。お天気キャスターのジャンスから「ロジャーの餌食」となった女性たちの名前を手に入れた。看板番組の陰にいる彼女にはみな安心して本音を話していた。チームメイトたちはメーガンに訊く。「どうする。行動を起こすのか。僕には子供がいる。ジュリアはビザを失いカナダに帰る。リリーには赤ん坊が産まれる。君は三大ネットワークに売り込んでいるが、どんな顔で移籍するのだ。誰にもFOXの遺伝子が刻み込まれている」。「あなたを攻撃する人たちは周りにいる私たちも狙うわ」。リリーだけが言った。「真実を追及すべき」。ジャンスは耳打ちした。「ロジャーはスタッフに探偵を雇っている。敵を調べ尾行してネットに悪評を書く。狙いはあなたよ。ロジャーについて聞く時は注意して」。誰も信用できない。メーガンはキャリアに意欲的な新人のケイラ(マーゴット・ロビー)に訊いた。彼女がロジャーの部屋に呼ばれたのを見たことがあった。「ロジャーにセクハラされた?」「なぜそれを?」「お互い、わかるのよ」「あなたも?」「ずっと前に。上層部に訴えたけど何も起きず、結局あきらめた。テレビに出たかったから」。ケイラは厳しい表情で聞き返した。「黙っていることの意味を考えました? 私たちがどうなるかを。誰かに言ってほしかった。ロジャーが求めているのは“脚”以外のものだと。理解できない。あなたはパワーがあるのに、メーガン・ケリーなのに、なぜ古いルールに従うの?」グサッと刺さった。

 

あなたにオススメ