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特集「ベストコレクション」

2020年9月28日

特集「遥けき空鳥渡る9月ベストコレクション」⑨ 
マー/サイコパスの狂気の地下室(上)(2019年 劇場未公開)

監督 テイト・テイラー

出演 オクタヴィア・スペンサー/ルーク・エヴァンス

シネマ365日 No.3337

ぷっつん… 

特集「遥けき空鳥渡る9月ベストコレクション」

パーティーの酒が欲しいが未成年者には売ってくれない、高校生4人は店の前で自分たちの代わりに「お酒、買ってくれませんか」と大人に頼むがみなお断り。動物病院の看護師スー・アン(オクタヴィア・スペンサー)が、犬の散歩で通りかかり一度は断ったが、アンディという高校生が使っているバンに「ホーキンス警備会社」のロゴを認め、承知した。これがすべての始まりだ。スー・アンはネットで検索し、高校生たちの属性を調べあげる。アンディは案の定、スー・アンの高校時代の同級生ベン・ホーキンス(ルーク・エヴァンス)の息子だった。スー・アンは愛想よく何度か彼らの代わりに酒を買ってやり、自宅の地下室が空いているからパーティーに使ってもいいと提供する。好きに使える隠れ家に若者らは有頂天になり、誘い合って集まる人数も増えた。スー・アンは簡単なルールを決めた。帰りの運転ができるよう、誰か一人は酔わないこと、自分のことは「マー」と呼ぶこと、二階には上がらないこと…▼オクタヴィア・スペンサーは「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」以来の友人であるテイト・テイラー監督の「ホラーの主演に起用したい」という提案に即OKした。「パパが遺した物語」「ドリーム」「シェイプ・オブ・ウォーター」など、ヒューマンな作品が多かった彼女には異例だったが、オクタヴィアは「人格を否定したらその役は演じられない」と、どんな役であろうとふところに飛び込む。物語は一言で言うと復讐だ。監督の目配りは繊細で、ヒロイン、スー・アンを中年になっても高校時代の心の傷が消えない女性とし、彼女は孤独な人嫌いとなり、社会に溶け込めず、病院の医師にも反抗的な態度をとるドロップアウトに設定した。一見ごく普通、親切で気取らず目立たない彼女だが、やはりどこかに「好かれたい」願望があった。高校生たちが「マー」「マー」と呼んで慕っているように思えるにつれ、地下室パーティーを盛り上げる楽しいホステス役を買って出た。高校生の一人、マギーはそのうちマーの視線が熱っぽくアンディに注がれているのに気づく▼大量のメールがスー・アンから送られ、平日にもパーティーの誘いがかかった。「クレイジーな女よ。ブロックして」と回状が回ったがマーの方が上手だった。自分は膵臓ガンだ、余命はしれている、たくさん薬を飲んで副作用で自分がわからなくなる、と話し「おかしな」点があるのは副作用のせいだとデッチあげる。スー・アンの病院にベンが犬の予防注射に来た。ベンは食事に誘った。スー・アンは普段の地味な服装と異なり、ヒョウ柄のワンピースで出かけた。かなり遅れてベンが来た。スー・アンをバカにしている証拠だ。追跡装置をテーブルに置き「わかるか。なぜ息子は君の家に何度も行っているのだ。思うに君の復讐だ。君は俺にベタボレだったが俺は無視した。君は昔から負け犬だ。哀れな女だ。忠告しておく。今度息子が君の家に近づいたら、警察ではなく俺がカタをつける」▼高校時代、スー・アンを傷つけたのはこの男だ。好意を寄せる彼女をある日真っ暗にした用具室に来させ淫らな行為に及んだ。スー・アンが部屋を出るとベンが大勢のクラスメートを引き連れ待ち受けていた。「かなり長かったな」。スー・アンの相手は別の生徒だった。残酷な哄笑が響き渡りスー・アンは精神を失調した。ベンは人でなしであろう。どう「カタをつける」のか知らないが、「ぷっつん」スー・アンの切れるほうが早かった。

 

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