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特集「B級映画に愛をこめて」

2020年10月15日

特集「B級映画に愛を込めて15」③ 
バビロンA.D.(2009年 SF映画)

監督 マチュー・カソヴィッツ

出演 ヴィン・ディーゼル/ミシェル・ヨー/メラニー・ティエリー/シャーロット・ランプリング

シネマ365日 No.3354

超人の生産システム 

特集「B級映画に愛を込めて15」

戦争とテロが多発している近未来、新セゴビアに潜伏していたアメリカのテロリスト、トーロップ(ヴィン・ディーゼル)は武装集団に襲撃され、マフィアのボス、ゴルスキーに引きあわされる。若い娘(オーロラ=メラニー・ティエリー)を6日間でニューヨークに届ける仕事を、多額の報酬とアメリカのパスポート入手の条件で引き受ける。カザフスタン、ウラジオストク、ベーリング海を渡りカナダへ、1万キロの旅だ。オーロラには修道女のレベッカ(ミシェル・ヨー)が同行する。最初は犬猿の二人だったが、助け合って危機を乗り切るうちにオーロラを含め、三人家族のような連帯が生じる。元はと言えば、レベッカが奉仕する孤児院に赤ん坊のオーロラがいた。レベッカは自分が属するノートライト派修道院に引き取りオーロラを育てたが、異常な能力のあることがわかってくる▼2歳で19ヶ国語を話し、初めてのことでも理解できる。30年前の潜水艦を動かせるし、彼女の予知能力で爆破から逃れたこともある。その力を知っているのは修道院で彼女を診た医師だけ。オーロラをアメリカに届けるには何か秘密がある。カナダのキティマット中立地帯までたどり着き一行はホッとする。美しいオーロラが幕のように氷原にかかっている。「もう直ぐアメリカね。でも皆、ニューヨークで死ぬ」オーロラは謎のような言葉をつぶやいた。トーロップには追跡チップがついていた。追うのはノートライト派の教主(シャーロット・ランプリング)だ。指定の家で3人は待機した。その家をゴルスキーの部下やノートライト派教主の部下が取り囲み、修道院でオーロラを診た医師がやってきた。検査してオーロラを車に乗せようとした時、トーロップは彼女を奪い返そうとし、激しい銃撃戦でレベッカは死ぬ。オーロラは「生きて」とトーロップに言い残し、やにわに彼を銃殺する▼ここは奇妙な研究室。オーロラの父ダルクワンディ博士はトーロップを生き返らせ、彼の記憶を再現しオーロラの居場所を見つけようとしている。彼が言うには「20年前、私は人間の胎児に人工知能を与えようとし学会を追われた。その時ノートライトが持ちかけた。世界の英知を備えた超人を創れというのだ。スパコンをオーロラの母代りにした。生まれてみると実験対象ではない最愛の娘となった。私が手放すのを嫌がると、連中はゴルスキーを雇い私を殺そうとし、娘は奪われた。いつか連中は娘を奇跡として公表するつもりだったのだ。ところが娘が消えた。お前のヘマで20年来の大計画がついえた」そこへ教主がやってきた。「娘はどこ? 私が産んだのよ」博士「私が設計した」「あの子は私の奇跡よ」「インチキ教団のために利用する気だな」。教主は平然と博士を殺します。恐ろしや、ランプリング。話は6ヶ月後。トーロップは生まれ故郷の農場にいる。オーロラの出産を見守っている。トーロップに「父親になってね」と言い残しオーロラは死ぬ。彼女は人工知能を与えられた試作品で、もともと短命なのだ。残された赤ん坊を抱いたトーロップが子供を育て、地球を救う任務を示唆して物語はエンド▼ただのアクションかと思ったら後半話が込み入ってきまして、悪女の教主やスーパー知能の少女やら、落ちこぼれの天才科学者、格闘技の達人の修道女やら、なかなか多彩でありました。オーロラの産んだ子が超人として成長し、超人が超人を産み、超能力によって世界各地で奇跡を示せば、ノートライト派教団は天下無敵の組織となるわけ、と教主はたくらんでいた。全員いかれているのですが、ランプリングの鬼の形相や、ヴィン・ディーゼルのドングリ目や、メラニー・ティエリーの不幸顔、ミシェル・ヨーの美麗なるカンフーなど、バカらしいお話に打ち込む、各人各様の“一生懸命”に一票。

 

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