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特集「別室でミステリーを」

2020年11月7日

特集「別室でミステリーを2」⑦ 
アンストッパブル(2020年 ミステリー映画)

監督 キム・ファラント

出演 ノオミ・ラパス/ルーク・エヴァンス/イヴォンヌ・ストラホフスキー

シネマ365日 No.3377

有無を言わせぬノオミ 

特集「別室でミステリーを2」

子供を失った母親の、哀切な最後を描いた映画にノオミ・ワッツの「チャイルドコール  呼び声」がありました。本作はそのポジティブ版です。7年前に娘を亡くし、トラウマから逃れられないリジー(ノオミ・ワッツ)は、今も娘の誕生日にケーキを用意しろうそくに火を灯す。離婚して今は息子と二人暮し。夫が単独親権を主張し息子とも離ればなれになりそうだ。「君の精神が不安定だから、子供に悪い影響を与える」というのが夫の言い分。リジーは1年ほど治療のため入院していた。今はメークスタジオに勤めている。学校のパーティーで、娘にそっくりな女の子がいた。リジーは忘れられなくなり、家を突き止めた。売り物件になっている。家を買うつもりもお金もないが、物件を探していると嘘をつき、家の中を案内してもらう。クレア(イヴォンヌ・ストラホフスキー)は何の疑いも持たず、息子の友だちの母ということで親しくなる▼リジーの執着はエスカレートする。紹介された男性とデートもしたが、いざセックスとなると受け入れられない。息子は広い家に引っ越せるとはしゃいでいたが、所詮ダメだったと知ると母親をなじり「パパと暮らしたい」とダダをこねる。リジーは孤立無援だ。ある日仕事を早退して、クレアが誘ってくれたアイススケートに子供たちと一緒に行く。ローラと手をつないで滑っていると、ますます愛情が募る。接触事故があってローラが転倒し頭をぶつけた。自分の娘につききりのリジーにクレアはどことなく不安を感じる。「7年前に娘を亡くしたの」と打ち明けたリジーにクレアは同情した。「ブライアント病院の火事で死んだの。ローラを見るたび、自分の娘だと確信するの」「なぜそれを私に?」これが伏線になります。「私に似ているでしょ」「あなたは病気よ。ローラが生まれたのはランドリー産院よ。もう私の家族に近づかないで」▼リジーの両親、夫は再度入院させることにした。職場はクビになった。クレア夫婦は接近禁止命令を頼むことにした。リジーの妄執は爆走する。クローゼットに忍び込んでいたところをクレアに見つかり二人の母親がぶつかり合う。「知っている? 子供を失うとどんなことになるか。消えてしまった自分の一部を思って死ぬまで悲しみを引きずるの。私は娘を失った。夫も家庭も職場も失い息子さえ奪われようとしている。デートもできず笑えず、眠れず食べることもできない。正気じゃないと言われた。でも私には自分のものがわかるの。DNAを手に入れてあなたの汚い秘密を暴いてやる」一方的にクレアを攻めまくる。「あなたは病院にいたのでしょう。私の赤ちゃんを盗んだのよ」クレアが叫ぶ。「ちがう、救ったのよ!」。なんと、クレアは認めたのだ。「娘は火事で息を詰まらせて死んだ。倒れている女性がいたけど煙と炎で顔は見えなかった。乳で胸が張っていた。そこに別の乳飲み子がいた。鳴き声を聞いて顔も見ずに私は乳を与え脱出した。それがローラよ。夫は何も知らない。あの子を奪わないで!」そばで一部始終を聞いた夫は黙って去る。母親二人のぶつかり合いとなると、男は退場するしか、ないかもね▼妄想に取り付かれ自殺する「チャイルドコール」に比べたらハッピーエンドでよかったのですが、クレアに同情したわ。リジーは周囲の誤解も解け夫との再出発もOK 。笑顔の戻った家族を、クレアは車の中から見ている。裁判になるでしょうが事情が事情だから多分執行猶予ね。ローラはどっちの家庭も行き来することになるのでしょう。クレアの告白でカタがつくのがあっけないのですが、有無を言わせず引っ張っていくノオミ・ワッツのパワーに吸い込まれます。

 

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