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特集「ダンディズム-dandyism-」

2021年1月2日

特集「ダンディズム8」② 市川雷蔵2 
若親分 あばれ飛車(1966年 アクション映画)

監督 田中重雄

出演 市川雷蔵/嵯峨美智子

シネマ365日 No.3433

神話という域 

特集「ダンディズム8」

本作で特筆モノは雷蔵のアクションね。ラストの殴り込みで双肌脱いで斬り倒す。2人や3人じゃない。数10人ですよ、数10人。ありえないのだけれど、雷蔵の殺陣の素晴らしさに見惚れる。舞いのように優雅だ。斬るだけではない、蹴りとばす、突き飛ばす、刀の柄で顔面断ち割り、体をかわし振り向いて袈裟懸け。ここは軍港に隣接する大浜市。南条組を解散して旅に出ていた武(市川雷蔵)は数年ぶりに郷里へもどった。細々と小料理屋を営みながら武の帰りを待ちわびていた組の元代貸し・猪之助は歓喜するが、武は組を再興する気はない。猪之助だけでなく、海軍時代の親友井川たちも武を待っていた。軍需品の納入や工事関係を仕切っている北門組が軍部と結託して不正を働き暴力で町を支配している。「貴様の力を貸してくれ」と頼む理由は「相手はヤクザだ、俺たちでは勝手のわからない世界だ」というわけ。屁みたいなこと言うなよ▼蛇の道はヘビ、ヤクザはヤクザの武に任せようと「貴様には海軍魂がある」とさかんに持ち上げる。おまけに猪之助の息子五朗は町の浄化に萌える正義の青年で、父が南条組代貸しだったため子供時代苦労した。だから「ヤクザは大嫌い」と、武をも毛嫌いする。どっちを向いても頼りになる味方はいなかったが、ただひとり、叔母の料亭を手伝う鶴代(嵯峨美智子)がいた。彼女は昔武が斬った親分の娘だ。いうなれば親の仇だが筋は通す、情には厚い、インテリジェンスがあり腕は立つ、そんな武が父を斬ったのは渡世の掟で私怨ではない、しかも父は「南条を恨むのじゃねえ。俺の遺言だ」と言って死んだのだ。武が北門組の襲撃を受けた時、素手の堅気を切るのは渡世のご法度、と一喝。武に父の形見のドスを投げ与える。彼女はラストの大乱闘で死ぬのですけど▼北門組を探るため深入りした猪之助は殺される。海軍士官の井川は、不審な女性を疑いもせず、妙な家に同行して北門組の罠にはまり拘束される、というマヌケ役。委細を知った若親分出撃。大立回りの結果北門組を一掃する。闇ルートは中央政界と密接に結びついていることを海軍上層部が掴んだ。現場には南条武逮捕だと、警察が踏み込んできた。南条の元同僚の士官たちは武に軍服を着せ隊列に紛れ込ませ、警察の「止まれ」に「言い分は連隊で聞く」と無視。真相を裁判で証言する武を保護して粛々と去る。嵯峨美智子にしてはやや物足りない役柄だったのですけど、死なせ落ちしかなかったでしょうね。戦えば必ず勝つ雷蔵。トム・クルーズしかり。シルヴェスター・スタローンしかり、チャールズ・ブロンソンしかり。いやいや、戦う女は美しい。アクション・ヒロインも輩出しています。元祖シガニー・ウィーヴァー、古典となった若きリンダ・ハミルトン、アンジェリーナ・ジョリー、ミラ・ジョヴォヴィッチ、シャーリーズ・セロン、ガル・ガドット。男も女も、神話の域に入っていくのがスターというものなのかもしれません。

 

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