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特集「ベストコレクション」

2021年1月12日

特集「令和3年新春ベストコレクション」① 
デッド・ドント・ダイ(上)(2020年 社会派映画)

監督 ジム・ジャームッシュ

出演 ビル・マーレイ/アダム・ドライバー/ティルダ・スウィントン/クロエ・セヴィニー

シネマ365日 No.3443

地球軸がずれた 

特集「令和3年新春ベストコレクション」

警官が3人しかいないアメリカの田舎町センターヴィル。エヴァー・アフター葬儀場、ムーンライト・モーテル、ガソリンと雑貨のボビーの店、センターヴィル少年拘置所、ダイナー。以上が主な舞台だ。語り手は森に住みリスや虫を食べているボブ。警察所長クリフ(ビル・マーレイ)の中学時代からの友人だというからかなりの年配である。彼は双眼鏡で町の様子をいつも観察している。最近奇妙な現象が起こっていた。アリが群れをなして地面を右往左往する。充電したはずのケータイの電池が切れる。ラジオが雑音ばかり。そのうちペットが失踪した、凶暴化したという訴えが警察に届く。午後8時だというのにバカに明るい。クリスは全然やる気のなさそうな署長である。部下は二人。ロニー(アダム・ドライバー)とミンディ(クロエ・セヴィニー)だ▼テレビのニュースによれば政府が極致で行っている水圧破砕工事により、地球の軸がずれ、日照時間を狂わせている可能性があるという。太陽光のサイクルが狂えば植物は育たず、地殻変動も生じる、とテレビは危険性を訴えている。ダイナーで女主人のファーンとウェイトレスのリリーが噂話をする。「葬儀場を継いだ外国人の女を知っている?」「ゼルダ・スウィントン(ティルダ・スウィントン)よ。心を見抜くような不気味な目なの」「アイルランドかスコットランド出身ね」「彼女が継いでから大きな金ぴかの仏像が運び込まれ、古いサムライの刀がラックにかかっているの」。そしてティルダのご登場。柔道着に日本刀というミスマッチな出で立ち。長い金髪のストレートヘア。日本刀を静かに抜き、真横、縦、斜めと振り下ろし正面の仏像に「阿弥陀仏さま」と日本語で唱えきちっと一礼する。例によってミステリアスであります。ダイナーが看板になった。妙な客が現れる。リリーが閉店だと断るが、汚い面相のボロを着た客が数人ぞろぞろと入ってきて、有無を言わさずリリーとファーンを襲い内臓を噛み割くと、チュルチュル音を立てて血を吸った▼翌朝、事件発生を知った警官3人は現場に集まる。ロニーがこの仕業はゾンビだという。自転軸がずれ墓場の死者が蘇り大挙して人間を襲う。土の中から腕がニョキニョキ出て、ゾンビはあっという間に町を占拠する。ゾンビを殺すには頭をはねるのだ、ロニーが教える。警察署にゼルダが現れる。「このご遺体は葬儀場に運ばれ、私が処理いたすことに?」サムライみたいな言葉遣いである。3人はパトロールに出かける。ゼルダ「私が残って監視しましょう。ゾンビから身を守る術は心得ております。パソコンと無線はお任せを」。そのうち署の外にはゾンビの群れが。ゼルダはやおら外に出ると、スパスパと首をはねていく。雑貨屋のボビーも客のハンクもゾンビに食われた。パトロール中の3人のパトカーをゾンビが取り囲む。ミンディはその中のひとりが「おばあちゃんだ」叫んで制止も聞かず車外へ出てたちまち餌食。ゼルダが警官3人と(今はふたりだが)待ち合わせ場所の墓地に来た。かかってくるゾンビをなぎ払っていたが「変だな、やつらが去っていくぞ」と車の中で見ていたロニーとクリフ。ゾンビたちは襲撃をやめゼルダを遠巻きにする。そこへ渦巻き状の閃光を放ちながら円盤が飛来。ゼルダをスポンと吸い上げて瞬間移動のように夜空に消えた。何が言いたいのだ、この映画は。ジム・ジャームッシュのファンタジーといえば聞こえはいいが、出てくる人物らはみな調子の外れたおかしな人ばかり。愚かさにどっぷりながら、妙な存在感のある人々。ティルダが宇宙人というのが似合っています。

 

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