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特集「別室でミステリーを」

2021年3月25日

特集「別室でミステリーを3」② 
無垢なる証人(上)(2020年 法廷映画)

監督 イ・ハン

出演 チョン・ウソン/キム・ヒャンギ

シネマ365日 No.3515

わたし証人になりたい

10歳の自閉症の少女ジウ(キム・ヒャンギ)の証言能力をめぐる法廷劇。80歳の老人が「鼻腔閉鎖による窒息死」によって死んだ。検察は家政婦ミランが自殺に見せかけた殺害だと主張した。ミランの国選弁護人となったのがスノ(チョン・ウソン)だ。46歳で彼女歴なし。年老いた父の面倒を見ている。目下、大手弁護士事務所のヒラ弁護士。所長のビョンウは世間の注目度が高いから、勝てば出世の道が開けると実利を説き、担当に充て自分は補佐についた。検察が取り上げたジウの証言「おじいさんを倒す時、おばさん(ミラン)は笑っていました」だった。ジウの部屋からミランと老人が争っている現場が見えたという。第一審。ビョンウ所長は専門書の一箇所をジウに音読させた。「自閉スペクトラム症は慢性的な精神疾患である。一般の人はたやすく他人の行動を読み取り、意味を解析できるが、同症の障害があると、他人の考えと感情を完全に理解できない。彼らは故意なのか偶然なのかよく理解できない。行動の意図を読む能力がないためである」。判決は2週間後に持ち越された▼ジウの母親は「あの子は1歳で文章を言えた。2歳では新聞がすらすら読めました。天才だと思った。将来何になるだろうと。でも自閉症でなければよかったとは思いません。自閉症がなければあの子じゃない」。母親は自閉症が我が子のアイデンティティだと認めています。えらいお母さんだと思うわ。スノはそうでなく、自閉症には普通の能力はない、だから証言能力がないと証明すれば検察の立脚点は崩れる。スノはジウの証言能力を測るため親しくなろうとして近づいた。検察官には自閉症の弟がおり、スノのように自閉症イコール無能力という先入観はない。ジウに取り付く島がないと嘆くスノに「向こうが近寄らないのなら、君から近づけば?」とアドバイスする。どうもこの弁護士、頼りないわね。スノは一緒にラーメンを食べたり、ジウにほえ付く犬をやめさせたりゲームやクイズでジウと親しくなる。ジウがスノのネクタイを見て、一瞬で水玉の数を196個と言ったが、この時は本気にしなかった。数えてもみなかった▼第一審判決。「証人の意思疎通能力を考慮すると、証言能力は認められない。ミランは無罪」だった。スノはもちろん嬉しかったが、ミランが横を向いて見せた「ニンマリ」が気になった。検察側は控訴した。それをスノから聞いたミランは「えらく執念深いこった」と漏らした。どこかで聞いたことがある。ジウが自宅で遊びながら同じことを言い、母親は「すぐゲームやテレビのセリフを覚えるのですよ」と言っていた…母親から「ミランがジウを訪ね何か言ったようで、そのため娘は発作を起こした」と電話があった。スノはもう一度ジウを法廷に呼ぶと決めた。反対する母親に「私は証人になりたい」と言ったのはジウだった。「ダメよ、大変だもの」「お母さん、わたし証人になって、みんなに真実を教えてあげたい」真実? ジウは第一審で専門書を読まされただけだ。言いたかったけれど、言わない、いや言えなかったことがあったのだ。

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