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特集「別室でミステリーを」

2021年3月30日

特集「別室でミステリーを3」⑦ 
インビジブル・ゲスト/悪魔の証明(下)(2017年 ミステリー映画)

監督 オリオル・パウロ

出演 マリア・カサス/バルバラ・レニー/アナ・ワグナー/ホセ・コロナド

シネマ365日 No.3520

水平思考

特集「別室でミステリーを3」

ドリアの隠し事を次々見破ったグッドマンは、ローラを殺害した犯人がトマスなら辻褄が合うと考えた。彼の妻ソニアは殺害現場のホテルの従業員だった。彼女の手引きがあれば密室は工作できる。グッドマンの推理に破綻はない。彼女の能力を信用したドリアはダニエルを沈めた場所と、もうひとつの隠し事を白状した。車を沈める直前、トランクを叩く音がした。ダニエルは重傷だったが生きていた。にもかかわらずドリアは車ごと湖に葬ったのだ。「なんて人なの!」グッドマンも色をなした。「私を見くびらないで。水平思考はご存知ね。ひとつの事実を異なる視点で見ること。この事件がローラではなくあなたの主導ならすべて辻褄が合う。横領の偽装もあなた。彼女はあなたとの旅行のあと罪の意識に苛まれ神経が衰弱し、パニック発作で受診しています。彼女が尊厳を取り戻す道はひとつ。青年は生き返らない。彼女にできるのは両親に事実を告げ自首することだけ。金を請求したのも青年の両親へのせめてもの償いです。あなたは自分のことしか考えないから、ローラの計画を知り激怒しローラを殺した。窓を見て。上から2番目、右から2番目」そこには父親トマスがいた。「彼は警察を信じていない。自らの手で制裁を加えようとあなたを見張っている。影のように尾行を続け私のところにも来た。私はその男を見張らせた。陪審を納得させるため私が必要なら殺害を認めて」ドリアは操られるように「殺した」と、最後の隠し事を吐露した。ドリアの部屋の留守電に顧問弁護士からメッセージが入った。目撃者の「男を見つけた。手を打った(買収した)。これで君は無罪だ」。ドリアに喜色がみなぎる。いつの間にかグッドマンは部屋から出ていた。電話の電波が途切れ、ドリアの胸に刺したボールペンのインクが漏れ出た。壊れたボールペンを解体すると盗聴器があった。窓に駆け寄ると向かいのビルの窓にグッドマンがいた。彼女がドリアを見つめたままカツラを取り、肌マスクを剥がす。トマスの妻そして元舞台女優ソニアだった。ドリアが真相を打ち明けた相手はグッドマンに変装したソニア。会話はすべてトマスが録音していた。トマスは電話を取り上げ「警察ですか。息子の事件の真相を」…ドリアの部屋に1人の老婦人が現れた。「あなたの弁護士から依頼されたグッドマンです」。ドリアの虚しい笑いが響く…。監督はスパニッシュ・ミステリーの佳品を送り出すオリオル・パウロ。「ロスト・ボディ」「ボーイ・ミッシング」があります。バルバラ・レニーは「フリア・よみがえり少女」「マジカル・ガール」の好演が記憶に新しい。ホセ・コロナドは「ロスト・ボディ」のほか「ゴヤ」「悪人に平穏なし」で数々の映画賞を受賞しました。ソニアが傲慢なドリアを相手取り嘘の皮を剥いていく追い込み、水平思考という単語をテコに「主導者はローラではなくお前だ」と決めつけた手際。大芝居を成し遂げたエネルギー。ミステリーであるのと同時に、息子の無実を信じる両親の切なさと犯人への憎悪が、ドラマを際立たせています。

 

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