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特集「B級映画に愛をこめて」

2021年4月30日

「B級映画に愛を込めて17」⑥
ムーラン 美しき英雄 (2020年 劇場未公開)

監督 リン・イー

出演 リウ・ヨンシー/ユー・カイニン/ジュー・リン

シネマ365日 No.3551

ベタも極まれば品格

特集「B級映画に愛を込めて17」

ディズニー実写版で、民を救い英雄となったムーラン“その後”です。ムーランが暮らす北魏に遊牧騎馬民族の柔然が攻め込んできた。父の代わりに男性と偽り出征したムーランは、故郷に戻っていたが、再び戦地に赴く。城を守る皇帝の息子(将軍)を救い出すが、包囲され自らは捕虜となってしまう。土牢に仲間4、5人と押し込められ、犬の餌だという食事を与えられ、「こんなものが食えるか」と怒る男たちをよそに、ムーランはムシャムシャと美味そうに食う。牢番の少年が「なぜそんなものを食う」と尋ねると「無駄死にしたくないからだ」。ムーランの冷静かつ公正な判断、捕虜となっても誇り高い態度に敵の君主の一人娘・青青姫(ジュー・リン)も(只者ではない)と一目おく。青青姫はムーランを呼び手合わせをする。「なぜ本気で斬ってこぬ」と怒る姫に「殺気が感じられない」。ますます姫は癪にさわるものの、ムーランをなぜか信頼する▼姫には坤鵬将軍という許婚がいるが「彼は権力欲が強く、民人民を統べる器には思えない」と父王に訴える。「息子がいないから王家存続のためには結婚しなければならぬ」とタネ馬を選ぶみたいである。坤鵬は目の上のコブの王暗殺に及び、騒ぎのどさくさに紛れて脱出したムーランを暗殺犯に仕立てあげた。守備の固い城を落とせない坤鵬は、戦争を終わらせたければムーランを差し出せと書状を送った。ムーランは無益な犠牲を避けるため、単身敵陣に行く。坤鵬はムーランこそ君主の仇だと味方の戦意を煽るが、青青姫は「ムーランが犯人であるはずはない。なぜなら父が殺された時私と一緒にいたのだから」と割って入り、父王が殺された時、引きちぎった玉が坤鵬のものであると突きつける。ムーランは坤鵬に一対一の決戦を挑む。自らも傷を受け再々ピンチに陥るが、ついに坤鵬に深手を負わせる。この将軍、ただでは死なんとばかり青青姫に斬りかかった。バシッ。刀の切っ先が姫の鼻に触れそうな距離でムーランは素手で刀を握り坤鵬にトドメを刺す。倒れたムーランを姫は抱き「あなたが男なら私は嫁いだ」「私が男ならあなたを妻とした」…そうくるか▼ラストは咲き乱れる黄色い花の平原で、ムーランが女性の衣装で琴を弾いている。若い将軍がくる。彼はともに戦った皇帝の嗣子。故郷の家族の元に戻ったムーランを迎えに来たのだ。今度はそうくるか。アクションは華麗、戦闘場面もまずまずの迫力。イケメンの坤鵬が悪人ヅラになるのもよし。ムーランのリウ・ヨンシーが中島みゆきそっくりで、甲冑に身を固め、真っ赤なマントで現れたときは「夜会」か! もともとファンタジーですからね。戦塵もうもうの戦闘にもかかわらず、ムーランはなぜいつも糊のきいた真っ白な襟を付けているのだとか、パパっ子で頼りなさそうだった青青姫は、平原の多民族を統べる高度な帝王学と剣術をいつ身につけたのだとか、犬の餌とかいう臭い飯は何で作ってあるのか、もう少し芸が細ければベタはベタなりにリアルになったと思うが、いや、これはこれでいいのだ。ベタも極まれば品格となる。そのうち宝塚版ができるのでは。

 

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