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特集「偏愛力」

2021年5月29日

特集「偏愛力10」⑦
レフトー恐怖物件—(下)(2020年 劇場未公開)

監督 デヴィッド・コープ

出演 ケヴィン・ベーコン/アマンダ・セイフライド

シネマ365日 No.3580

深まる闇

「ただいま」妻が帰ってきた。テオにまた謎の男が現れる。「お前は永遠に一緒なのだぞ。お前とあの子とあのウソと」「娘に罪はない」「お前が悪い。親の罪は子が背負う」。夫のただならぬ様子を見守る妻にテオが言う。「もう続けられない。ムリだ」。「パパ、うちへ帰る?」と娘。「お前とママは、な」何事かを察したスザンナは「あなたは残るの?」「家が離さないよ…彼女を、キャサリン(前妻)を殺した。溺死させたのだ。救えたのにただ死ぬ姿を見ていた。あの頃は彼女を憎んでいた。去るべきだった。彼女の元から。俺の居場所はここだ。罪からは逃れられない」。「悪魔の建てた家」という言い伝えがどこまで本当かどうか知りませんが、テオは自分の罪の意識から逃れられなかった…言ってしまえばそれだけのお話ですが、自分自身にさいなまれる男を、ケヴィン・ベーコンが抑圧して演じています。妻に他の男がいるのかどうかも彼の妄想でしょう▼サイコスリラーとしてはよくある妄想ネタですが、テオの次第に濃くなる闇の深さがよくわかる。テオはテオでなんとか過去から立ち直ろうと、セラピーやマインドフルネスや、努力しています。妻もよくできた女性で、夫の一時的な(ト彼女は捉えている)ウツ状態の怒りや疑惑に距離を持って付き合っています。アマンダ・セイフライドの健全な女性の持ち味がよく出ていますし「危ない男」をやらせたらケヴィン・ベーコンこそ水を得た魚。それと悪魔屋敷の謎めいた内部。成り立つはずのない迷宮の間取りとか、家が人を閉じ込めるカラクリなんて、そんなバカな、と思いながら付き合ってしまうところが面白かった▼デヴィッド・コープ監督は「永遠に美しく」「ミッション:インポッシブル」「スパイダーマン」「パニック・ルーム」などの脚本多数。監督としては「シークレット・ウィンドウ」がよかった。「チャーリー・モルデカイ華麗なる名画の秘密」はミステリー味とはいえ、失敗でした。やはりサスペンスが肌に合うようです。ケヴィン・ベーコンはメリル・ストリープをいじめぬく「激流」、透明になって悪いことばかりする「インビジブル」の科学者が強烈な印象でしたが、刑務所の虐待の実態を告発する「告発」では、クリスチャン・スレーターやゲーリー。オールドマンという、転んでもただでは起きない役者に混じり、あっぱれ主演を張りました。その彼は62歳(2020)ですが、細身の長身に贅肉はなく、すっきりと見好い容姿を維持しています。トリヴィアですが、「告発」で共演したキーラ・セジウィックは彼の奥さんです。1988年に結婚以来ずうっと一緒。なぜそんなに長持ちするのか、の答えになるかどうかわかりませんが、彼のモーニング・ルーティンはマンゴーを食べることだそうで、そのマンゴーを「妻を起こさないよう静かに食べる」と動画がありました。

 

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