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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2021年7月10日

特集「映画に見るゲイ14」328
バオバオ(2019年 ゲイ映画)

監督 シエ・グアンチェン

出演 エミー・レイズ/クー・ファンルー/蔭山政彦/ツアイ・リーユン/ヤン・ズーイ

シネマ365日 No.3623

パパたちの分もお幸せに

特集「映画に見るゲイ14」

子供を持ちたいレスビアンカップルとゲイカップルがいます。前者はロンドンの企業ではたらくキャリア・ウーマンのジョアン(クー・ファンルー)とシンディ(エミー・レイズ)。後者はジョアンの友人チャールズ(ツアイ・リーユン)と植物学者のティム(蔭山政彦)。4人で妊活する。体外受精です。女性2人の卵子に男性2人の精子を注入してできる受精卵をシンディの子宮に戻し双子を妊娠した。男の子ならジョアンたち、女の子ならティムたちが育てる。子供を望む理由。シンディたち「家庭を持ちたい」。ティムたち(特にティムの)母親が同性愛に否定的で、孫ができたら「僕たちの関係を認めてくれる」。シンディは妊娠したが1人を流産する。1人残っている。男の子か女の子かわからないがティムはお金に困っているらしいジョアンを見てとって「シンディの出産謝礼金」として前払いしようとする。ジョアンは「生まれてからにして」と受け取らなかったが、ティムはジョアンのジャケットのポケットに小切手を入れて帰る▼ジョアンの留守に小切手を見たシンディは「子供を売るつもりだ」と先走り、故郷台湾に帰り、幼馴染のタイの家に居候する。ジョアンが追いかけていくが会おうとしない。ジョアンがなんでお金に逼迫したかというと、ロンドンで新居を購入し、それも画家であるシンディのために画廊が開けるように広いスペースを取った贅沢な間取りだ。しかも内装費が見積もりより高くつき、自分で壁塗りをするジョアンをティムは見かねたわけ。ジョアンは仕事に身が入らず会社をクビ。シンディに手紙を書いて別れることにする。「シンディ。私の世界に来てくれてありがとう。あなたと出会って人生の意味を見出せた。自分が何のために努力してきたか、何を求めていたかようやくわかった。会いたい。とても。子供のことは心配しなくていい。あなたが台湾に帰る前に彼らは事故で亡くなったから。安心して産んで(女の子でも渡す必要はないということ)。先月私は会社を解雇された。ロンドンの家は手放し一からやり直す。子供のことは必要だったら連絡して。いやならしなくてもいい。元気で」▼手紙を読んだシンディは、無条件で「赤ん坊の父親になる」と引き受けたタイに「ごめんね。これ以上一緒におれない」。空港にジョアンを追い、抱きついて2人揃ってロンドンへ。男性カップルの事故死もあっけない。生かしておくと話が複雑になるから退場させてしまったようなものね。スピーディというか大雑把というか「あれよ、あれよ」と思う間にエンド。シンディは無事女の子を出産する。妊娠中の情緒不安定のシンディに振り回され、残る3人がとばっちり食ったって感じよ。「この小切手は何?」とジョアンに一言訊けば面倒なんか起きなかったでしょう。どっちのカップルも仲がよくて、見ていて幸せそうだったのに。男性カップルは死んじゃったから安心して、というジョアンも他に言わせ方はなかったのか▼ゲイカップルの妊活という視点はよかったと思うが、時系列を無駄に交錯させる物語の運び方と、ひねりのないセリフで損をした映画。でもま、一組だけでも目指すゴールに到達したことを多とするべきなのでしょう。パパたちの思いを無駄にしないで、末長くお幸せに。「バオバオ」は中国語で「宝宝」。赤ちゃんの意味。

 

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