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特集 LGBTー映画にみるゲイ

2021年7月18日

特集「映画に見るゲイ14」336
スルースSLEUTH探偵(上)(2007年 ゲイ映画)

監督 ケネス・ブラナー

出演 マイケル・ケイン/ジュード・ロウ

シネマ365日 No.3631

君の心が好きだ

特集「映画に見るゲイ14」

ゲイが主題ではありませんが、男2人の騙しあいの結果、富豪作家のワイク(マイケル・ケイン)が自称俳優のマイロ(ジュード・ロウ)に「君と一緒に暮らしたい、どんな贅沢もさせてやる」と迫る。マイロはワイクの妻マギーの愛人で、離婚してくれとワイクに頼みにきた。犯罪小説作家の彼の作品は世界各国に翻訳、瀟洒な豪邸は家具もなければ異様なほど整理整頓、スーパーの袋やコンビニ弁当の空き箱など皆無。完璧に生活臭がない。舞台のような屋敷の空間で、男ふたりが手の内を見せずいかに意地悪をするか、侮辱するか、陥れるかに全知全能を尽くす。構成は3回戦のゲームという形をとり、1回線はマイロが老獪なワイクにおちょくられ、経済力のなさと社会的地位の不安定を嘲笑され、挙句、空砲をバンと撃たれて失神するという、完膚なきまでにやっつけられる▼ただこのシーンで、銃を突きつけられて震え上がったマイロが命乞いするのです。「女は嫌いだ。趣味じゃないのだ。奥さんなんか好きじゃない。僕を嫉妬するのは筋違いだ。むしろヤギかイヌか少年がいい」と白状する。失神から気がついたマイロを追い出したワイクの元にブラック警部が訪れる。名前からしてふざけています。マイロが行方不明だ、お前が殺したのだろう、ネタは上がっているぞと追い詰め、カツラをとるとそれはマイロだった。散々バカにされた腹いせに、仕返しをしてやると乗り込んできたのだ。あんたの目的はなんだと偽刑事に聞かれた作家は「彼は妻の愛人だが魅力的な男だ。妻の目になって彼を見た。するとますます彼の魅力がよくわかった」と聞いてマイロは悪い気がしない。報復手段が成功して2回戦はワイクのボロ負け。気がすんで引き上げようとするマイロを引き止め「僕は主導権を握る男が好きだ。妻は私をどんな男だと言っていた?」「冷血で邪悪で嫉妬深く偏執的で、犯罪傾向があり病的だと」。ワイク、にんまり。「君に見せたいものがある。興奮するはずだ」とゲストルームに案内する。(なんぼほど部屋があるのだ)。そこには浴室、冷蔵庫完備。冷蔵庫には冷えたチリの白ワイン。「泊まらないか」と作家が持ちかける。「僕が?」「君こそ私のタイプだった。君の心が好きだ」。マイロ、作家の知的な、かつ情熱を秘めた青い瞳を見つめ「体が好きだとはよく言われたが、心が好きだと言われたのは初めてだ」。感動の面持ち。「興奮すると言っただろう。私には刺激が必要だ。知的な興奮が必要なのだ。私は金持ちだ。なんでもやらせてあげる。画廊が開きたいか? 劇場が欲しいか? 本屋をしたいか。君が芝居を選び主役をやれ。ただし必ずこの家に住むこと。この部屋で寝ること」「君と一緒に住めと?」「そうだ。僕と旅行してもいい。世界は君のものだ」「マギーは?」「放っておけ。一緒に暮らそう」。ワイクはマイロのセクシュアリティをつかんでいますから、もう手のひらに乗せたのも同じ。夢のような設計を繰り出します。「そそられるなあ」感に耐えたように若い美貌の男はつぶやく。

 

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