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銀河流れる7月のベストコレクション

2021年7月28日

特集「銀河流れる7月のベストコレクション」⑨
ノッティングヒルの洋菓子店(下)(2020年 家族映画)

監督 エリザ・シュローダー

出演 セリア・イムリー/シャノン・ターベット/シェリー・コン/ルパート・ベンリー=ジョーンズ

シネマ365日 No.3641

抹茶ミルクレープ

特集「銀河流れる7月のベストコレクション」

ミミ「ロンドンは世界でいちばん多文化の街よ。国際人が住むけどみなよそからやってきた。肉屋のボリスはハンガリー人。ヨガの先生はロシア人。靴屋のニコライはイタリア人。彼らが好きなのは故郷を思い出させる味よ。この店をそういう人の第2の故郷にするのよ。よそにないお菓子を作るのよ。お客さまが故郷を思い出せるものを」。リサーチを重ね「ふるさとのお菓子を作ります。ご相談ください」と店頭に貼り出した。イザベラはマシューの助言を得て厨房に入った。日本人客が来店した。「カプチノとパレ・オ・ショコラを」「どちらから?」「東京よ」「抹茶ミルクレープケーキね」ミミが呟くと「なぜ知っているの? 作れる? 
作ってくれたら買うわ」▼「お任せを」とミミは胸を叩いたがマシューとイザベラは悪戦苦闘する。何枚も何枚もの薄いクレープを、一枚ずつ焼いて積みあげるのだ。「日本人はきっと時間が余っているのね」「駄目だ、やり直しだ」。朝4時から再スタート。喜んで持って帰った日本人客ユウナ・タナカが顔色を変えてやってきた。「無理を聞いてほしいの。会議で話してしまったの。そうしたら…つまり2つ作ってほしいのよ」。何時間かかると思う? 断ろうとするふたりにミミがタナカの名刺を見せた。「タイム・アウト フードエディター」。誰もが知る人気雑誌の食品部門編集者だ。色めきたった。抹茶ケーキは会議に間にあった。電話が鳴った。「タイム・アウト」が取材を申し込んだ。何台ものカメラとカメラマンが店にあふれ、表紙を飾るのは3人とマシューとミミのボーイフレンドだ。撮影風景を店のショーウィンドウからサラの幻が見ている。夢は叶ったのだ▼まったくクセのない映画だけに物足りない向きもおられるでしょうが、これはこれでまとまりのいい映画だと思えます。役者陣もセリア・イムリー(「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」「輝ける人生」「マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー」)を筆頭にのびのびしていますし、ノッティングヒルのロケーションが生きています。エリザ・シュローダーは家族と一緒にノッティングヒルに住み、街を知り尽くしています。根っからのお菓子好きで本作のために世界中のお菓子を研究しました。日本代表が和菓子でなく、抹茶ミルクレープケーキだったことに違和感を覚えた方もおられるでしょうが、感性の違いなのだからそれはそれでいいのでは。だいいち彼女らの主役ケーキが「日本」だなんて嬉しいわ(ト単純人間は喜ぶ)▼難を言えば、ラリーがミミの助言を入れてダンサーに復帰する。それはいいのですが、ちょこちょこ店に顔を出しているのは、どっちを本業にするのか…亡き母親の志を継ぐのか、ダンスの才能を伸ばすのか(ミミのショーマンの血は孫が受け継いでいます)ま、そのうち好きな方を選ぶだろうけど。いずれにせよあっけないほど嫌味のない映画で、しんどい社会派に辟易した時はオススメです。

 

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