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特集「ラブコメは天使のため息」

2021年9月7日

特集「ラブコメは天使のため息」⑦
ラブソングができるまで (2007年 コメディ映画)

監督 マーク・ローレンス

出演 ヒュー・グラント/ドリュー・バリモア

シネマ365日 No.3682

愛に戻る道

特集「ラブコメは天使のため息」

楽しくて元気の出る映画です。全盛時代の影を引きずる元ポップの大スター、アレックス(ヒュー・グラント)と、大学時代の恋愛が壊れ作家を諦めたソフィー(ドリュー・バリモア)が、作詞作曲(原題)の共同作業を通して結ばれる王道ラブコメ。ポップ全盛期から15年。アレックスは同窓会、遊園地、客船のイベントで歌う前座歌手だ。人気歌手コーラがアレックスのファンで、彼の歌で失恋の痛手を乗り越えられた、ついては新曲を作って欲しい、タイトルは「愛に戻る道」と依頼する。10年も曲を作っていないアレックスは、作詞家を呼んで悪戦苦闘するがさっぱり乗れない。そんな時、植木の水やり係のソフィがアレックスのピアノに合わせていくつか言葉を口ずさんだ。「それだ、それ」アレックスはソフィに一緒に作ってくれと頼むが、彼女も書けなくなったトラウマがあった。自分を捨てた大学の講師の小説「サリー・マイケルズ」がベストセラーとなり、サリーのモデルがソフィだった▼その中で作家はひどいことをサリーことソフィに言う。「彼女はものまねの名人だ。だが有名人作家を真似ても形だけ、中身のない偽物だ」。以来ソフィはペンを持つたびその言葉に呪われる。「あんな奴、頭のはげかかった中年のオヤジじゃないか。いい歌詞を書いて見返してやれよ」とアレックス。「そうか、君はポップなんてとバカにしているな。でもどんな小説より、爽快な気分になれるのが詞の力さ。君は希少な才能を持っている。きっといいものが書ける」。アレックスに励まされソフィは「伝えたいことが伝わる言葉」をひねり出そうと本気で取り組む。「メロディーが先、歌詞は後」というアレックスに「わかっていない。メロディーは第一印象よ。肉体的魅力やセックスと同じ。でも相手の本当の姿を知るものが歌詞よ。ふたつが合わさって魔法が生まれる」。創作部分のセッションの内容がいいです▼レストランで偶然元カレ講師に出会い、言いたいことがあるのに言えなくなったソフィに代わり、アレックスがつかつかとテーブルに。「ソフィの話を聞いてやってくれ。彼女の人生を台無しにしただろ」アレックスは応じない男の胸グラをつかむが簡単にボディガードにねじ伏せられ、テーブルにゴツンゴツン。ソフィは家に帰って氷で頬を冷やしてやる。「アレックス、勇敢だったわ」「ありがとう、でも傷は反対側だよ」。二人の歌をコーラは採用した。躍り上がるアレックスとソフィ。しかしコーラが施したアレンジはソフィの歌詞に込めた想いとかけ離れていた。コーラに申し入れるというソフィに「ビジネスだ。君が折れろ」とアレックス。「いいえ」とソフィ。ふたりは決裂。ソフィは姉の経営する痩身エステのフロリダ支店に赴任すると決める。コーラのライヴの日。招かれたソフィ姉妹と家族はステージで発表される新曲を待っていた。でも紹介されたのはアレックスの名前だけ。失意のソフィは会場を出ようとする。そこにゲスト出演したアレックスがピアノの弾き語りを始めた。ソフィとの出会いから共に歌を作った想い、ケンカ…切々と歌いあげる歌詞。ソフィの頬に涙が伝う。そして次にコーラが歌った新曲こそ「愛に戻る道」だった。ソフィの要望通りアレンジした簡素なステージでアレックスとコーラがデュエットする。発表された作詞作曲者名は「ソフィ&アレックス」▼ヒュー・グラントとドリュー・バリモアが自分で歌っています。なかなかうまいです。劇中にある「彼女がまっすぐ宇宙船に戻らない限りは」とヒューが言うのは、もちろん天才子役としてドリューが出演した「E.T」へのオマージュ。ヒューはかつて一世風靡した腰振りダンスを今も催事場でやるのですが、ギクッとなって腰をさすりながら楽屋に退場するなど、小技が効いていました。楽しくて中身の濃い映画です。

 

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