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特集「ペガサスを見上げる海は9月のベストコレクション」

2021年9月18日

特集「ペガサスを見上げる海は9月のベストコレクション」⑪
私は確信する(上)(2021年 事実に基づく映画)

監督 アントワーヌ・ランボー

出演 マリーナ・フォイス/オリヴィエ・グルメ

シネマ365日 No.3693

250時間の通話記録

特集「ペガサスを見上げる海は9月のベストコレクション」

2000年2月27日。3人の子の母、スザンヌ・ヴィギエが失踪。夫の大学教授ジャックに容疑がかかる。9年後殺人容疑で裁判が行われた。9人の陪審員が容疑を否定、ジャックに無罪判決がおりた。検察は妻殺害容疑で15〜20年の量刑を要求、2010年二審が開かれることになった。本作は二審からの攻防です。ノラ(マリーナ・フォイス)は息子の家庭教師がジャックの娘で、父ジャックの無罪を確信していた。無罪を証明するには熾烈な戦いになる。腕利きの弁護士が必要だ。ノラは敏腕を謳われるモレッティ弁護士(オリヴィエ・グルメ)に依頼するが玄関払い。ノラは自分で事件の詳細をまとめたファイルを無理やりモレッティに提供する。ノラの熱意に動かされたモレッティは弁護を引き受ける。彼は事件洗い直しのため、裁判で証人になると予測できる関係者たちの電話通話録音を入手、ノラにテープ起こしを頼んだ。述べ250時間という膨大な量だ▼ノラはレストランのシェフとして働くシングルマザーである。パソコンとCDを片時も離さず職場に持ち込み、困難を極める作業にアタックしクビになる。でも調査をやめない。彼女を突き動かしているのはジャックが無実だという確信だ。確信だけでそこまでできるのか第三者にはよくわからないが、彼女はやるのだ。電話だけで物語が進む作品に「ギルティ」や「オン・ザ・ハイウェイその夜86分」があります。主人公が電話の音声聴き取りに集中する緊迫感溢れる映画でした。本作のノラも声の主の特定や会話内容の分類など細かな神経を要する仕事に没頭する。やがて失踪したスザンヌが直前に会っていた愛人の中年男、デュランデの通話記録に違和感を覚えた。彼は常にジャックの有罪を主張し、裁判で不利になるよう他の証言を誘導している。ノラの疑惑が募るさなか第二審は始まった。モレッティはノラが調べ上げた通話記録の分析を元に検察側の「ジャック有罪」の根拠を崩していく。ノラは有能で申し分ない助手だ。うちで雇いたいとまで言うが、ノラは第一審の陪審員を務めたことを隠していた。一審の陪審員が二審に関係することは許されず、モレッティは激昂しノラを解雇。それでもノラは独自で音声調査を進める。彼女の行動力と信念に感服する。モレッティの対検察への反対弁論はカッコいいが(それってみなノラが調べた情報だろ。いちばんしんどいところをヒトにやらせておいて、自分はいいよな)という気がしないでもないが、ノラにしたら何が何でもモレッティに頑張ってもらわないといけないから弱音を吐かない。ますます調査の精度を高め、ジャックの父親と刑事の録音を追及した。すると父親は警察の警視からジャックに自白を勧めるよう脅迫されていたのだ。父親は証人台でそれを証言する。ノラの耳は地獄耳となってテープに向かう。さらに疑わしい事実が上がった。ヴィギエ家のベニーシッターをしていたセヴェリーヌの会話から、スザンヌの愛人デュランデを重要人物とマークした。彼は用もない友人に電話し、スザンヌは夫に殺されたと匂わせる話を吹聴していたのだ。

 

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