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特集「別室でミステリーを」

2021年9月23日

特集「別室でミステリーを4」③
カラスの親指 (2012年 ミステリー、ヒューマン映画)

監督 伊藤匡史

出演 阿部寛/村上ショージ/石原さとみ/能年玲奈/小柳友

シネマ365日 No.3698

最後の勝負

ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜 (2017年ミステリー映画)

詐欺師のタケ(阿部寛)とテツ(村上ショージ)がヤクザの取り立て屋から逃げ回ることをやめ、彼らが誇る(?)詐欺の技で返り討ちにするが、無事目的を果たした後にもうひとつ、真相が明らかになるというお話。同僚の保証人になったばかりに多額の借金を抱えヤミ金から金を借りたタケは返済できずに、成り行きで彼らの取り立てを手伝うようになる。病人の布団をひきはがすような過酷な取り立てにあった女性が小さな娘2人を残して自殺する。タケは耐えられずヤミ金組織の裏帳簿を盗んで警察にタレコミ、一網打尽で彼らはムショ行き。出所したボス、ヒグチはタケへの復讐として家に放火し、娘は焼死する。以来タケは組織の目を逃れ、オモテ社会から身を隠し、詐欺で日銭を稼ぐようになる。競馬場で知り合った同業者のテツ。ネクラのタケをどこか飄々としたテツは気が合い、同居して日々の詐欺で暮らしを立てていた▼ある日、金を持っていそうなおじさんから財布をすった少女やひろ(石原さとみ)を同業者のよしみで助けてやる。家賃が払えなく追い出された彼女に「うちへ来てもいい」とタケが情をかけたところ、やひろの姉まひろ(能年玲奈)と彼氏の貫太郎(小柳友)が転がり込んでくる。野良猫のトサカが加わり5人と1ぴきは模擬家族のように平和に暮らすが、怪しげな車が家を監視するようになりボヤが発生する。見つかった。タケは逃げようというが、若い3人は「僕たちには詐欺という得意技がある。あいつらを騙して金を奪おう」と大胆な発言。テツも賛成し腹を決めたタケは計画を練った。姉妹は8年前タケの取り立てで自殺した女性の娘たちだったがこの時点では伏せている。ヒグチの事務所と同じマンション内に部屋を借り、盗聴器入りの携帯電話を買わせて事務所に現金を集めさせた。作戦決行。やひろを除いた4人は盗聴器探索業者を装い事務所に入り、盗聴器が金庫に仕掛けられていると知らせ金庫を開けさせる。貫太郎がやにわに銃を取り出し「金をよこせ」とわめき発砲、事務所は大混乱、まひろが転落。救急車だ、救出だと大騒動。やひろが隣の部屋のニセ住人となってヒグチらの気を反らせた隙をつき、偽紙幣を入れたバッグと本物をすり替え作戦は成功する▼5人は別々の道を歩むことにする。タケの元に名古屋で元気にカタギとなって暮らすまひろたち3人から手紙が来る。出来過ぎの展開に疑問を持ったタケはテツを調べる。テツは姉妹の父親だった。彼は末期ガンで余命1年とわかったとき、残した娘たちがまっとうな道を歩むこと、タケにも贖罪は終わったとし、日の当たる場に復帰する元気を持たせることを目的に、まずタケに近づき、不動産詐欺で大儲けした金をつぎ込んで劇団を買収、路上のおじさん、ボヤ騒ぎ、そしてヤミ金組織に一泡ふかせる計画など、テツの仕組んだ芝居だった。病院にテツを訪れたタケは真相を知る。テツこそ大ガラス(詐欺師)だった。「これからどうします、タケさん」とテツ。「仙台に行こうかと思う」「仙台はいいですよ、一緒に行きましょうよ」。残りすくない余命をテツはタケと一緒に過ごすつもりだ▼まず味方を騙す。テツが命終えるとき、大ガラスの面目を発揮した最後の勝負に賭けるのが見どころ。村上ショージのヒューマンな持ち味が後味をよくしています。

 

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