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特集「初霜は11月のベストコレクション」

2021年11月7日

特集「初霜は11月のベストコレクション」⑦
ソング・トゥ・ソング (2020年 恋愛映画)

監督 テレンス・マリック

出演 マイケル・ファスペンダー/ルーニー・マーラ/ナタリー・ポートマン

シネマ365日 No.3743

だから何なのよ!

特集「初霜は11月のベストコレクション」

テレンス・マリック監督とわかってちょっと引いたのだけど、ああ、やっぱり。「聖杯たちの騎士」や「ボヤージュ・オブ・タイム」。実にとっつきにくい映画で、這いつくばって書いたわよ。感動を難解が邪魔していたわ。本作も、そりゃまあこれだけ有名俳優が集まるのは、マリック監督にカリスマがあるからなのでしょうね。ケイト・ブランシェットとかホリー・ハンターを、本筋に必要と思えない端役でチョイ出ししているのだからすごいわ。テレンス・マリックという哲学の先生がつくる映画だから仕方ないとしても、ついていくのが退屈で所々早送りしたわ。映像は美しいです。でも映像美を堪能したいのならドキュメンタリーを見ますからね。シロクマやペンギンや、廃墟美か、「マダカスカル」というBBCの傑作もあったじゃない。一緒にするなって?▼ストーリーを大まかに言えば、自分探しの陰気なフリーター、フェイ(ルーニー・マーラ)が、音楽業界で「なんでもできる男」クック(マイケル・ファスペンダー)の会社の受付をやっていたのがきっかけで関係を持つが、一方で売れないソングライターBV(ライアン・ゴズリング)と知り合い、離れたりくっついたり、ごちゃごちゃあったけど結論は「あなたを愛し続ける。愛さずにはいられない」となる。クックはレストランで一目見たウェイトレス、ロンダ(ナタリー・ポートマン)と愛人関係に。彼女は元教師で母親と苦労して生きてきた薄幸な身の上だ。クックのゴージャスな世界に巻き込まれるが、彼の退廃的な生活に疲れ自殺。BVは「地元に戻ってやり直す。心が歪んでいた。いろいろ経たけれど愛するのは君だけだ」とフェイに告げ、故郷テキサスの油田工作所みたいな現場で泥だらけになって働く。物語はフェイのナレーションで進む。「あなたは君も来るかと訊いた。西部は初めて。でもあなたの元へ。シンプルな人生にあなたは戻る。私も同じ。ふたりの邪魔は誰にもさせない、絶対に」。だれか邪魔すると言った?▼ジャケ写にある「思いもよらない運命がふたりを待ち受けていた」って、このエンドのこと? バカにしているわ。ルーニー・マーラは適役でしたよ。鬱陶しい役柄がよく似合う薄幸クイーン。本作でも彼女のセリフは特筆モノよ。「囲いから抜け出るために経験したかった。歌いたかった。自分の歌を」「お父さん、ごめんね。できの悪い娘で。姉さんは自慢の娘なのに」「人々はその名に怯える。例えば邪悪。あなた(クック)は私の好きにさせてくれた。幸せに浸っていると思わせてくれた。でも愛を信じていなかった」「あなたは真実を求める。でも私は違う。真実を言えば誰かが傷つく。時々とても怖くなる。私たちはさまよう、鳥のように」。とても綺麗なセリフなのだけど(ウダウダ言っていないで、だから何なのよ)ってなってしまったの、すみません▼ホリー・ハンターはフェイを誘惑するレスビアン。フェイは、なにしろ彼女、愛を求めて漂流中だからどこにでもイカリを降ろすのね。いい仲になるのだけど顛末は尻切れとんぼ。どうなったかわからない(わかった人、教えて)。ケイト・ブランシェットに至ってはさらにひどい。BVと結婚することになって彼がレストランで母親と会わせることにした。息子が席を外すと、お母さんなんと言ったか。「あなたは息子にふさわしくない」。ケイトはあっさり振られて退場。でもケイトはまだいい。クリスチャン・ベール(「アメリカン・サイコ」「マシニスト」)、ベニチオ・デル・トロ(「インヒアレント・ヴァイス」「ボーダー・ライン」)、トレヴァンラ・ローズ(「ムーンライト」)らは出演シーンをバッサリ、カットされたのだ。かくもひどい目に合わせるにもかかわらず、彼のオッファを受ける俳優は後を絶たないのだから、ものすごい監督ではあります。

 

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