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特集「頑張るドイツ映画と女性監督」

2021年11月16日

特集「頑張るドイツ映画と女性監督4」②
100日間のシンプルライフ(上)(2020年 コメディ映画)

監督 スヴェン・ダディッケン

出演 マキシミリアン・ブリュックナー/ルイーゼ・ヘイヤー/ヤスナ・フリッツィー・バウアー

シネマ365日 No.3752

幸福は水と同じ

特集「頑張るドイツ映画と女性監督4」

冒頭、こんな字幕が出る。「僕たちの曾祖父母の持ち物は57個。祖父母は200個。父母は650個。僕らの持ち物は1万個。僕らは裕福で豊かな未来がある」。僕らというのはスマホ依存症のパウル(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)とコンプレックスの塊トニー(マティアス・シュヴァイホファー)だ。彼らは幼馴染で小さな会社の共同経営者。パウルの部屋は通販で会いあさった品物で溢れている。彼が開発したアプリは、持ち主にマッチした人格を搭載した「NANA」(ナナ)だ。それをアメリカの大手企業にプレゼンするチャンスが来た。NANAは「人を幸せにする存在」とパウロ。トニーは「消費者のデータを収集できる」と熱弁を振るう。やりとりをウェブカメラで見ていたIT長者ザッカーマンが400万ユーロで ナナを購入すると承諾した▼大勝利にふたりは歓喜。薄給で働いていた数少ない社員たちもバンザーイ。早速社内でパーティーを開いた席上、買い物依存症だとトニーに暴露されたパウルは売り言葉に買い言葉、トニーの女性関係をばらし大喧嘩になり賭けをすることに。「自分の所有物を全て倉庫に移し、1日1個だけ取り出し、100日間何も購入しないで過ごす。先にギブアップした方が利益の半分を社員に譲渡する。翌朝二日酔いで目が覚めると、彼らはがらんどうの部屋にスッ裸で寝ていた。家具家財は社員が倉庫に没収した。雪が降り積もるベルリンの街をふたりは倉庫まで全力疾走。パウルはコートを、トニーは寝袋を持って帰る。倉庫で出会ったのがルーシー(ミリアム・シュタイン)という金髪のミステリアスな美人だった。2日目。パウルの両親が訪ねてきた。異様な出で立ちの息子たち(トニーはパウルの家に居候していた)に呆れ、母親レナーテは旅行にいく間、おばあちゃんの様子を見に行って欲しいと頼む。父親ヴォルフガングは「消費社会への抗議だな。金は万能じゃないぞ」と意見を述べるが今の彼らに耳を貸す余裕はない▼謎の美女ルーシーとトニーは初デート。古いコンタクトで目を痛めたトニーは部屋でルーシーの手当てを受けいいムードになり一夜を共にする。パウルは祖母の家で昔話を聞き、物があふれていても幸福を実感できないと本音を打ち明けた。おばあちゃんは古いカバンを開け「あのカバンひとつで引き上げてきた。私たちは6人で収容所にいた」と若い男女の写っている写真を見せる。「幸せそうだね」「何もなかったけどね。今は好き勝手に食べたいものを食べ、不幸になる理由がない。戦争もないしね。幸福は水と同じ。つかもうとすると手からこぼれ落ちる」。トニーはルーシーの倉庫を見せてもらう。膨大なブランド服やアクセサリーが隙間なく陳列してある。「全部君のもの? クレージーだよ」「そう、私クレージーなの」。もっと会いたいというトニーにルーシーは「ここにあるものはそのままに、私個人を詮索しない条件なら」と承諾した▼主要人物3人はかなりアブナイ男に女です。パウロは必要でないものでも買い物を続けていないと満たされない。ルーシーも重度の買い物依存症で心療内科に通っている。友人から金を借りる、盗む。ついには見放され借金に手を出し首が回らない。トニーは子供の頃からパウロが妬ましかった。自分にないもの、家族を、才能を持っている。彼がトニーの彼女に手を出したのも愛でも恋でもなく妬ましさからだった。賭けの制限期間も押し迫った頃パウロはザッカーマンに会う。彼はパウロがアメリカに来てNANAを一緒に売り出そうと共同経営を申し込んだ。

 

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