女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「令和4年新春ベストコレクション」

2022年1月1日

特集「令和4年新春ベストコレクション」①
ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢(上)(2020年 ヒューマン映画)

監督 ニーシャ・ガナトラ

出演 ダコタ・ジョンソン/トレイシー・エリス・ロス

シネマ365日 No.3798

主役はあなたです

特集「令和4年新春ベストコレクション」

令和4年あけましておめでとうございます。新春はこの映画でスタートします。誰かと一緒に叶えたい夢、私たちも持ちましょうね。
 

グレース・デイヴィス(トレイシー・エリス・ロス)は25年間、音楽業界を牽引してきた歌姫だ。彼女の言葉と生き方は世界中を魅了、絶頂期の彼女はまさに伝説だった。時代を象徴する楽曲を発表し音楽界の中心人物として揺るぎない地位を築いた。常に注目を浴びる存在に苦しみつつも、より華やかに輝きを増したが、現実は厳しい。ヒットを生み続ける重圧と失敗への不安がグレースを押しつぶそうとする。ここ10年彼女は新作を出していない。焦燥している。そこへ現れたのが付き人のマギー(ダコタ・ジョンソン)だ。グレースの雑用係になって3年。痒いところに手が届くように骨惜しみせず仕えてきた。マギーは母親のお腹にいるときからグレースの歌を聴き、物心ついて以来憧れてきた彼女のミューズである▼引退を囁かれ始めたグレースに、マネージャーがベガスの長期公演契約を持ってくる。ニューヨーク、デトロイト、マイアミ、各地のツアーで会場を沸かせてきたグレースにはやや疲れが見える。マネージャーベガス公演では渡り鳥のようなツアーもない、同じステージをそのまま続ければよいというがグレースは生返事だ。「私は深夜営業の小汚いピアノバーで歌っていた。ジャック(今の彼女のマネージャー)は一番後ろで私を見つめていたの」。その頃からの戦友だとマギーにいい「あの頃を思えばベガス公演なんて、大出世なのよ。引き受ければみなハッピーね」と自嘲気味だ。マギー「オブラの番組であなたは言っていました。驚きがないなら歌う意味がない」(オブラとはオブラ・ウィンフリー。アメリカ最高のトーク番組の司会者)。自分のことをなんでも知っていそうなマギーに「あなた、ずっと私のファン?」「子供の頃から夢見ていました」。グレースはマギーに興味を持つ。大物プロデューサーの1人、グラミー賞受賞者でもあるリッチが、グレースの歌をリミックスした。スタジオでそれを聴いたグレースは、確かに新しい試みだがどこか迷いがあるようだった。マギーは「実は」と切り出す。「あなたのアルバムを無断でミックスしました。聴いてくれますか。主役はあなたです、くそデジタルに溺れちゃダメ」。さすがに「マーガレット、口を慎みなさい」とグレースは注意したが、彼女が選んだのはマギーのアルバムだった。マネージャーのジャックは面目丸つぶれ、怒りが沸騰する。「お前はプロデューサーでも歌手でもマネージャーでもない。勝手なことをするなら自分でクライアントを探せ」グレースにチョッカイ出すなということだ▼しかしこれを機にプロデューサーになりたいというマギーの夢は現実味を帯びてくる。人生のどんな時も歌に励まされてきた。アーティストに曲を作ることによって、誰かの孤独を癒したいと思う。そんな時たまたま彼の歌を聴いた、デヴィッドという若手のミュージシャンだ。「あなたはいい声を持っている。情感のあるノスタルジックな声よ。大きな会場で歌わせたい」。意気投合した2人は新曲に挑みセッションを繰り返す。しかしデヴィッドのプロデュースに身を入れる一方で、遅刻、仕事のポカ、日程管理の調整ミスが続き、グレースは怒る。「プロデューサーは人の信頼が全てよ。自分のアーティストに責任を持つのが仕事。付き人失格だわ。あなたと働きたい歌手がいるとでもいうの? クビよ!」。解雇を言い渡す。だがふたりとも、口にこそ出さないがお互いに、これきりになるには未練があった。

 

あなたにオススメ