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特集「令和4年新春ベストコレクション」

2022年1月3日

特集「令和4年新春ベストコレクション」③
共謀家族(上)(2021年 サスペンス映画)

監督 サム・クァー

出演 シャオ・ヤン/タン・ジュオ/ジョアン・チェン

シネマ365日 No.3800

完璧なアリバイ

特集「令和4年新春ベストコレクション」

娘をレイプされた父が犯罪映画のレトリックを駆使してアリバイを偽造し、完全犯罪を企む、というお話。ハラハラ、ドキドキで引っ張っていく中国サスペンスの佳品です。インターネット回線会社を営むリー(シャオ・ヤン)は2人の娘、高校生のピンピンと幼いアンアン、妻アユー(タン・ジュオ)と幸福に暮らしている。リーは映画オタクでお気に入りは「ショーシャンクの空に」だ。サマーキャンプに参加したピンピンに不良生徒スーチャットが目をつけ、ジュースに睡眠薬を混ぜて眠らせ暴行し、現場をスマホに撮ってピンピンを呼び出し、いうことを聞かないとネットにアップすると脅す。思い余った娘は母アユーに打ち明け、アユーは娘と指定の場所に行き動画を削除するよう頼むが、スーチャットはいやらしく「ではお前が代わりになれ」と母を襲う。娘は男の手にあるスマホをはたき落とそうと、棍棒で殴りつけるが誤って頭部を殴打、男は死んだ▼出張先から帰ったリーは委細を聞き、自分が殺したことにして自首するという妻に「被害者は俺たちなのだぞ。相手は警察局長・ラーウェン(ジョアン・チェン)の息子だ。刑務所行きだけではすまない」。リーはアリバイ作りに全知全能を絞る。リーが失踪直前にスーチャットの黄色い車に乗ったのを見た、と若い警察官・サンクンから報告を受けた局長は、リー一家を連行する。彼女は証拠を捏造してでも容疑者を自白させる強引な凄腕局長だ。リー、妻、娘2人は別々の部屋で事情聴取を受けるが、息子が失踪した4月2日と翌日3日の一家のアリバイは捏造のかけらもなかった。行く先々でリーは、警察が証人として喚問すると予想される人物とあらかじめ接触しており、彼らの証言は100%リーの現場不在を立証していた。しかし「直感を信じる」局長はあくまで「リー本ボシ」を曲げない。リーについて洗いざらい調べたが、彼は善良な市民で人間関係は良好、ビジネスは堅実で取引先に迷惑をかけたこともなく、彼を悪く言う人はいなかった。逆にリーと家族を一方的に連行した警察への住民の反感と抗議が強まり、局長はやむなく一家を釈放する▼業を煮やした局長は「彼が他の人間と変わっているところはないか!」と叫ぶと「映画マニアです」と答えが。家を捜索し900本近いDVDを押収し、うち1本「悪魔は誰だ」に着目した。事件の時系列をずらして編集するという手法を犯罪に用いた映画だ。「これだ! リーは防犯カメラなどの映像を編集し直したものをわざと我々に見せていた。家族の供述にブレがないのは、彼らがウソではなく事実を述べているからだ」。カラクリは突き破られた。そこへスーチャットの同級生がアメリカから帰国し、呼び出しに応じた。サマーキャンプで何があったかと質問する局長に例の動画を見せる。局長は息子がすでに殺されている、リーの「息子殺しの動機はこれだ」と確信した。彼女は再び一家を連行し、サンクンに「何をしてもいいから口を割らせろ」とあるまじき命令を下す。一番幼いアンアンを隣室に入れ父や母、姉が拷問に叫ぶ声を聞かせ「あの夜、何を見た。言わないとパパは死ぬかもしれない」と悪鬼の形相で迫った。彼女と、権威をカサに賄賂をせびる悪徳警官サンクンという二人の悪役が、善良な市民ばかりの登場人物の中で異彩を放ちストーリーを刺激的に運びます。

 

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