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特集「令和4年新春ベストコレクション」

2022年1月4日

特集「令和4年新春ベストコレクション」④
共謀家族(下)(2021年 サスペンス映画)

監督 サム・クァー

出演 シャオ・ヤン/タン・ジュオ/ジョアン・チェン

シネマ365日 No.3801

中国、映画支援に本腰

特集「令和4年新春ベストコレクション」

幼いアンアンは局長の脅しに、泣きながら父が自宅の裏にある墓地で穴を掘っていたと自供する。供述をもとに墓を暴く警察に住民は反感を強めた。リー家族が自白を強要されていることを知る住民たちは不穏な騒動を醸していたが、死体が発見されれば万事決着がつくと自信のある局長は動じず、タカビーを崩さない。しかし掘り返した墓穴から出てきたのは息子ではなくヤギの死骸だった。爆発した住民らは、局長の自宅前で暴動を起こし局長は無期限停職となった。彼女の夫は市長選に立候補していたが辞退した。リー一家に普段の暮らしが戻った。息子の遺体はリーが仕事の最中に知った警察署の改修工事の穴に埋め戻していた▼数日後、リーはラーウェン夫妻に偶然出会い、彼らは謝罪し「希望はないと思うがはっきり教えてほしい。息子は生きているのか、死んでいるのか、頷くか首を横にふるか、だけでよい」と頼む。息子の生死を思う親の情に打たれたリーは黙って頭を深く下げる。リーはスーチャットを殺害したと自首した。妻のアユーも娘のピンピンもテレビの報道に唖然。家族を守ろうとしたリーの行動に住民たちは「リーは無罪だ」「釈放しろ」とデモした。リーは刑務所で庭の掃き掃除をしている。彼の隣を棺桶が運ばれていく。それを見てリーは「ショーシャンクの空に」の脱出計画を思いだしていた…。リー役のシャオ・ヤンが、市井の平凡な父親が家族の危機を乗り切るために奮戦する父親役を好演。母親役のタン・ジュオは目立たない脇役ですが、「あなたなら息子を案じる母親の気持ちがわかるでしょ」と高圧的に言う局長に「あなたの息子は人間じゃない、ケダモノよ」と、憎悪を剥き出した形相が凄まじかった▼佳品だと評した後でこういうのはナンですが、局長夫妻の泣き落としに負けて、リーがあっさり自首するのは、善良な人間に犯罪はしょせん重荷だったと言いたいいのか、それとも善悪とはその行為を見る人の立場で異なる流動的な判断で、善と悪二色に色分けできる単純な構造ではないと言いたいのか、どちらにしてもせっかく明快に進んできたストーリーがいっぺんに尻すぼみになった怨みが否めませんでした。ビッチだった警察局長が哀れな母親の憂い顔に急変したのにも一驚した。百回死んでも変わらないえげつない女である方が劇的だったのに、子を亡くした母親の情という一般的な線に沿ったために、せっかくの悪役を薄めてしまった。何をしてもいいから自白させろと指示するような冷酷無情、しかも私怨に固まった女がしおしおと泣きを入れるか? という疑問が渦巻いたのが残念▼本作に直接関係ありませんが、中国政府(国家電影局)は映画産業5ヶ年計画を打ち出していました。コロナ・パンデミックの間、中国における映画の興収はアメリカを抜いて1位だったとか。数ヶ月に及ぶ経済の閉鎖状態から中国が素早く立ち直れたのは、国内で製作された映画のおかげ、そして中国政府は青娥の興収1位の座を維持するため、党の全面的な指導を堅持し、力強い映画文化大国にすると宣言しています。日本映画が質の高さにもかかわらず海外で目立たないのは、プロモーションにかける予算の違いだという業界の意見もあるくらいです。国挙げての支援は日本でこそ必要よ。

 

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