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特集「令和4年新春ベストコレクション」

2022年1月11日

特集「令和4年新春ベストコレクション」⑪
5月の花嫁学校(上)(2021年 コメディ映画)

監督 マルタン・プロボ

出演 ジュリエット・ビノシュ/ヨランド・モロー/ノエミ・ルヴォウスキー/アナマリア・バルトロメイ

シネマ365日 No.3808

夫につき従うこと

特集「令和4年新春ベストコレクション」

「つい最近まで理想の女性は良妻賢母とされ、フランスには専門の家政学校があった。1968年5月革命の前夜のヴァン・デル・ベック学校の物語である。葡萄畑で有名なアルザス地方も村にも革命の足音が近づく」と字幕が出る。校長のポーリーヌ(ジュリエット・ビノシュ)はビシッとフルメイク、香水を噴霧器のように振りかけ、いざ新学期開講の訓示に。同校はポーリーヌと夫のロベール、彼の妹のジルベルト(ヨランド・モロー)、修道女のマリー=テレーズ(ノエミ・ルヴォウスキー)が運営する。校長は夫に「新入生18人よ。去年より15人も少ない」とぼやく。ジルベルトは肥満で腰が痛い。マリー=テレーズは歩きながらプカプカ煙草をふかす。彼女らが登場しただけで(何かやる…)ただならぬ胸騒ぎを与えるところが楽しい▼「2年間、私や教師陣が理想的な主婦になれる鉄則7カ条を教えます」。①良妻は夫につき従うこと。思いやりを持ち常に上機嫌でいること。良妻賢母でいることによって家庭は平和を保ち、子供も幸せに問題なく育ち、社会は安定します」。熱弁を振るう校長のそばでジルベルトは居眠りを始める。②「主婦には家事をこなさねばならぬ義務がある。料理、掃除、アイロンがけ、繕いに身を捧げ不平を言わない」。③「家計を預かるのは主婦の役目。常に節約して無駄遣いせず必需品を揃え、自分用には使わない」。④「主婦は家族全員の健康や衛生に責任を持ち管理する」。⑤「起きてから寝るまで良き妻は気をぬかない。おしゃれに気を使い愛嬌を振りまき、家族の精神を確立させ2日連続同じ服を着てはダメ」。⑥「アルコールを禁じる。子供のお手本にならない。夫が誘惑に負けたら大目に見てあげること」。別室でロベールがポケットウィスキーをチビチビ飲んでいる。⑦「夫婦生活はやむをえない場合もある。時間をかけて努力すれば不快で虚しいお務めも乗り越えられます」▼とはいえ、思春期の女子18人の集団だ。ああいえばこう。「トイレは就寝前にすませなさい。夜中に催せばベッドの下の壺で用を足すように」「4人で1つを使うなんて溢れるわ。夜のトイレ使用は許可してください」ぞろぞろと全員トイレに行く。逆らうのが面白い年頃なのだ。花嫁衣装を手縫いする裁縫の時間。「嫁入り衣装は社会への通行証よ。だから自分で心を込めて作るの。イニシャルを入れて。デ・デュ・ポン、あなたのイニシャルはCだったかしら。Cって誰?」「愛する人です。私は結婚しません」「あら、そう。何を信じるの?」「愛を」「愛を叶える余裕があるようね。女性は相手を選べません。妥協しなかったら25歳過ぎても独身よ」。大真面目である。自由時間のおしゃべりでデュ・ポンが言う。「女は男の奴隷じゃなくなるとママが言った。ママはフェミニスト支援すると」「それ何?」「男女格差反対者よ」。彼女らはいろんな事情でここにきている。親が息子の学費を稼ぐため娘を預けた、夢は美容院をやりたいが親は家業のカフェを継がせたがっている。食事は全員揃ってテーブルに着く。その時だ。ジルベルト自慢のウサギ料理の骨を喉に詰まらせ、ロベールが窒息死してしまった。学校は上や下への騒動になる。遺産はポーリーヌにゆくはずだったが、夫の遺品を検分していた彼女は驚天動地。彼が全財産をギャンブルにつぎ込んで借財を重ね、返済できないため裁判所から破産宣告を受けていることを知った。

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