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特集「令和4年新春ベストコレクション」

2022年1月13日

特集「令和4年新春ベストコレクション」⑬
アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生(上)(2021年 ドキュメンタリー映画)

監督 リナ・プリオプリテ

シネマ365日 No.3810

アナーキーで刺激的

アドバンストとは上級の、とか先端の、という意味。「ニューヨークのお洒落な女性を撮影しています。50代以上の女性が大半です。撮らせてくれますか」そう言ってアリ・セス・コーエンは路上で声をかけ、お洒落な年配女性をブログに挙げた。「年齢に自信を持ち、老いを恐れない女性たちは最高の自分を演出する。年配者はもっと注目されるべきだ」これがコーエンの信条だ。ニューヨークのファッション・アイコン、アイリス・アプフェル(「94歳のニューヨーカー」2022年101歳)は「年配の女性は世間に打ちのめされるのよ。手遅れだと吹き込まれるの。雑誌を見ると途方にくれるわ。写真は若い女性ばかり。年寄りはゼロよ。その点アリのブログは画期的よ。若者から焦点を外し年配女性に注目するのはアナーキーで刺激的な試みよ」
▼ジポラ・サラモン(62)=ソーホーの「パティナ・ヴィンテージ・ストア」経営。「街を行く時は必ず自転車よ。早く目的地につけるし着ている服を見せびらかせるでしょ」
▼ジョイス・カパルティ(80)=1999年ハーストマガジン社を退職。同社を代表する雑誌「コスモポリタン」「グッドハウスキーピング」を担当した。「雑誌社で働く女性はまだ少なかった。毎日がエキサイティング、私は僅かな女性社員の最初のひとりだった。仕事とは別に音楽と歌を続けてきた。16歳の時ミラノでオペラを学びお洒落に目覚めた。朝になると美しいスーツ姿で出勤する女性たちを見かけた。粋なセーター、真珠のイヤリング。私の目指すべき姿だと思った」
▼リン・デル・コーエン(79)=ブティック「オフ・ブロードウェイ」経営。「人生という劇場のために毎日着飾るの。7000ドルを義父から借りてブロンクスの1号店を出した。お店は42年も続いているわ。センスがなくても学べばいいのよ。世間じゃセンスのない人が大半よ。私の店に来れば助言するわ」
▼デボラ・ララポート(67)=ニューヨークで暮らすと家賃がバカ高いの。私は倹約上手よ。私にとって着飾ることはファッションじゃなく癒し。自分の体を土台に作品を作り上げる創造なの。自分がときめきたいのよ」
▼イロナ・ロイス・スミスキン(93)=画家。「街を歩くと私たちが絶対やらないコーディネートをしている。でもこの年になると本人が良ければいいと思う。お洒落は自分のためのものだもの。低迷期もあったけど絵を教えるようになって本領を発揮できるようになったわ。絵を描く基本は観察すること。生徒に年を聞かれて以前は“50歳と死の間よ”ととぼけていたけど、残された時間は少ない。どれだけ続けられるかしら。いつ死ぬかわからないから先の約束はしないわ」
▼ジャッキー・タジャー・ムルドック(81)=アポロ劇場最高のダンサーのひとり。「生まれたのは大恐慌真っ只中のハーレム。17歳でここ(アポロ劇場)に来て天国だと思ったわ。昔からお洒落が大好きだった。個性的なセンスがあったので自分のスタイルを貫けた」
▼セルダ・カプラン(95)=「生まれつき幸せよ。素敵なお洒落は周りにいい影響を与える。布を集めるのが趣味。アフリカで織物職人に大勢出会った。私が選ぶのは手で織った布地よ。デザイン画を描いて仕立屋に頼むの。人は年をとると自己評価が寛容になる。私はいつも自分に寛容だけど、私は私。どうにもならないでしょ」

 

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