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特集「ラブコメは天使のため息」

2022年1月19日

特集「ラブコメは天使のため息2」②
ディボース・ショウ(下)(2004年コメディ映画)

監督 コーエン兄弟

出演 ジョージ・クルーニー/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/ジェフリー・ラッシュ/ビリー・ボブ・ソーントン

シネマ365日 No.3816

おバカ男がいいわ

向かうところ敵なしだったマイルズがマリリンに敗北を喫した。弁護士事務所のボスはマイルズを呼びつけ難詰する。丸めたティッシュを延ばしたようなしわくちゃの、管を何本もぶら下げている爺さまの前に出ると、マイルズは蛇に睨まれたカエルのごとく身がすくむのだ。ボスはマリリンを殺せ、でなければ事務所から追放だと脅す。夜中に電話が入った。マリリンが以前結婚した不動産王レックスがどんちゃんパーティーの最中、心臓発作で死亡。遺言書は4年前から書き換えられておらず相続人はマリリンだった。マリリンは大金持ちでその半分をマイルズはもらえるのだ。殺しは停止だ。でも遅かった。マリリンは侵入した殺し屋を倍の料金で懐柔。そこへ殺し屋を止めに駆け込んだマイルズと鉢合わせに。殺し屋は喘息の発作を起こし吸引器の代わりに拳銃の引き金を引き、自分の喉元を撃って死亡。マリリンは徹底抗戦でマイルズから身ぐるみ剥がすと決意して離婚調停に臨む。マイルズはもう一度やり直したいと申し出るが、マリリンは自分に殺し屋を雇った男を「信用できると思う?」。マイルズは婚前協約に再びサインする。やや沈黙。マリリンはいきなり協約書を破り棄て、2人は愛を確認して熱いキスを交わす▼ストーリーは起伏に富み、婚前協約書が隠しネタになって面白いのですが、いかんせん、あまりにも予定調和ゆえコーエン兄弟ファンを満足させられなかった。兄弟独特の「陰り」のなさが気にいらなかったのだと思えます。そのかわり、マイルズに「ビタ一文払わず女房と別れる方法」を頼みこむテレビ・プロデューサーにジェフリー・ラッシュ(「英国王のスピーチ」「鑑定士と顔のない依頼人」)、マリリンと組んでマイルズをいっぱい食わせる相方にビリー・ボブ・ソーントン。彼にはコーエン兄弟と撮った「バーバー」という傑作があります。マリリンの弁護士役にリチャード・ジェンキンス(「スタンドアップ」「モールス」)という贅沢な布陣に、うかうかすると主役2人は食われそうです。コーエン作品の中で「一番面白い」という人もいれば「一番面白くない」という人もいて、真っ二つに意見が分かれるのも本作の特徴か。最初の離婚裁判の証人として、マイルズが探し出してきた男(自称クラウス・フォン・エスピー男爵)がオネエ言葉でマリリンの頼み事をスッパ抜く。「夫を探してほしいの。リッチなおバカ男がいいわ。女がカモリやすい男をね。旦那がおめでたければ女だって浮気できる」。こんな海千山千のビッチが、雷に打たれたごとく愛に覚醒する「コーエン兄弟にあるまじきラスト」が、たぶん一部のファンの逆鱗に触れたのでしょう。

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