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特集「ラブコメは天使のため息」

2022年1月25日

特集「ラブコメは天使のため息2」⑧
あなたに降る夢(上)(1994年 事実に基づく映画)

監督 アンドリュー・バーグマン

出演 ニコラス・ケイジ/ブリジット・フォンダ/ロージー・ペレス

シネマ365日 No.3822

200万ドルを取り返す

ニューヨークの警官チャーリー(ニコラス・ケイジ)は、レストランでウェイトレス、イボンヌ(ブリジット・フォンダ)に払うチップ代がなかったため「宝くじが当たったら君と折半する」と約束した。妻ミュリエル(ロージー・ペレス)に追い立てられ、しぶしぶ買いに行った宝くじが400万ドルに当たってしまった。チャーリーは市民に尽くす模範的な警官だ。妻はたかが巡査の夫が恥ずかしい。制服で美容院(彼女は美容師)にこないでくれと常日頃頼んでいる。熱烈恋愛で結婚したがすっかり冷え切った夫婦だ。妻は降って湧いた大金に大喜び、豪華な服、大きな家、財テク投資に狂奔する。警官を天職とするチャーリーは相変わらず日常勤務に精出していた。ある日コンビニ強盗に出くわし、チャーリーと相棒のボーの機転で逮捕するがチャーリーは負傷、療養のため休職となった▼イボンヌは夫の負債を背負いこまされカード破産し、女優志願を諦めウェイトレスをやっている。チャーリーは妻の大反対にもかかわらず「約束だから」とイボンヌに200万ドルを渡す。目立つことの大好きな妻は「君は慈善の女神としてマスコミの注目の的さ」というチャーリーの言葉に発奮「そうか、その手でいくか」と新規路線に邁進するが壮大な浪費は止みそうにない。200万ドルを折半した幸運の2人にマスコミは飛びつく。豪華なクルーザーでのパーティーに揃って招待された2人。四方山の話を交わすうち、どっちも寂しい家庭であることがわかる。イボンヌは離婚調停中だ。大金にも浮かれず、警官のままでいようとするチャーリーにイボンヌは惹かれる。そこへ彼女が蛇蝎のように嫌う夫(自称演出家)のエディが戻ってきた。もちろん金目当てだ。「聖人警官と付き合っているのか」「あなたとは正反対のやさしい人よ」「自分の劇団を立ち上げたいのだ。設立資金に5万ドル出してくれ。出してくれるまでここを離れない」と家に居着くつもり。イボンヌは自分が家を飛び出した▼チャーリーは妻に問い詰められていた。「あのウェイトレスと寝たの? あなたに尽くしてきたわ。くそマジメでボンクラ、貧乏根性の染み付いた労働者階級のあなたに」「それが俺だよ」「離婚するわ。今すぐ」。チャーリーはボストンバッグ1つ持って家を追い出された。大金が出来たために巻き起こる悲喜劇と、その金がなくなった時どうなるか、の顛末を追う物語です。ニコラス・ケイジが素朴な、良心的な警官を、ブリジット・フォンダが散々夫に金で苦労させられる若い妻を、それゆえ男を見る目が出来たのか、妻がボロクソに言うチャーリーに癒しの資質を覚える女性を好演しました。が、なんといっても最高のヒール(悪役)、ミュリエルが映画の後半をかき混ぜます。彼女はイボンヌに嫉妬などしていません。彼女はそんな情実的な女ではない。イボンヌに渡った200万ドルが惜しくてならないのです。ミュリエルはパーティーで知り合った投資アドバイザー、グロスと意気投合し財産を増やすことに夢中で、着る服もキンキラのブランド物で身を固め、夢だったティファニーでお買い物、大きな箱を抱え下僕のように後ろを歩くチャーリーを従え、我が世の春を謳歌していました。でも人の欲には限りがない。彼女が知恵を絞ったのは「あの200万ドルを取り返す方法はないか?」。これによって前半「いい人のいいお話」ばかりでダレ気味だった映画は俄然エンジンを噴かし始めました。

 

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