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特集「ザ・クラシックス」

2022年3月20日

特集「ザ・クラシックス10」②
大時計(上)(1950年 サスペンス映画)

監督 ジョン・ファロー
出演 レイ・ミランド/チャールズ・ロートン/モーリン・オサリヴァン/エルザ・ランチェスター

シネマ365日 No.3876

自分を探す自分

特集「ザ・クラシックス10」

面白い。冒頭に結論を出す倒叙法で始まり、それに至るプロセスで見せる傑作。マンハッタンの一流出版社の探偵雑誌部門編集長ジョージ(レイ・ミランド)の妻(モーリン・オサリヴァン)は「あなたは雑誌と結婚したのね。私たちはただの同居人みたい。あなたは疲れて会話もなく子供と話すヒマもない。去年の旅行も中止。家族とは言えない」と怨嗟に満ちている。家庭崩壊の危機、ジョージは休暇を取ると決めた。会社のロビーにそびえる大時計はジャナス社長(チャールズ・ロートン)の信念を表す。「人生は約20億8137万6000秒。1秒ごとに年をとる」しかるに有能な社員を1分1秒の無駄なくこき使い、無能な社員は容赦なくクビにする出版界のヒトラーだ。ジョージは傘下の調査チームを駆使し、警察さえ見つけられない失踪者を発見してきた。当然社長のお気に入りだが、寸刻の休みも与えられない。旅行に出発する直前社長から仕事の指示が入った。「休暇が認められないなら辞める」と啖呵を切ったジョージに「クビだ。国内の出版界では働けないぞ」▼ジョージは妻に「クビになった」と報告。妻は感激する。駅で待ち合わせすることにしたが、たまたまバーに立ち寄り、ポーリンという自称占い師にあったのが運のつき。酒を飲みすぎ列車を逃し、妻は息子と出発し夫は置き去りにされた。ポーリンは社長の愛人だ。彼がいかにケチで病的な秘密主義者か、そんな裏話で大いに盛り上がる。ジョージは彼女と街をぶらつき、骨董屋に入り、そこにいた女性画家の絵が気に入って買い、ポーリンには緑の置き時計を買ってやった。グダグダと街をうろつき、ポーリンの部屋に行き寝込んでしまう。やってきたのがジャニス社長。ポーリンに叩き起こされたジョージが部屋を出ると、すれ違いでエレベーターから社長が降りてきた。社長が女の部屋に入ると誰かいた気配。「誰だ」「新しい友だちよ」「名前は」「ランドルフよ(置き時計に書いてあった名前)」「他に男が何人いる。ベルボーイにビーチ監視員、今日の男も忘れんからな」「あなたこそ。速記者にエレベーター嬢。広報係に写真のモデル。社長でなければ相手にもされない。みんなあなたを陰で笑っている。ぶくぶく太った哀れな男」壮大な罵倒です。社長、手元の置き時計で頭をぶん殴り、女を死なせる▼社長と彼の右腕である編集局長ヘインズは、部屋にいた男を犯人に仕立て上げることにする。警察に負けない捜査力を持つチームに、ある男を探し出す指揮を取れとジョージに命じた。ジョージが探し出さねばならないのは自分自身ということになった。優秀な捜査チームは目撃者を割り出した。ジョージがいたバーのバーテンと骨董屋の主人、そこにいた画家だ。バーテンと画家は金をつかませて知らないことにしてくれと言い含めたが、骨董屋は間に合わなかった。ニューヨークに戻った妻は夫が殺人犯にされそうになっている危機的状況を知る。逆転できる目撃者がいる。「社長が乗って女の家に行ったタクシーの運転手よ」なんて賢い奥さん。待ち合わせの時刻に遅れる間抜けな亭主とは大違い。演じるモーリン・オサリヴァンはジョン・ファロー監督の妻。ふたりの娘がミア・ファローです。

 

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