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特集「最高のビッチ」

2022年4月2日

特集「最高のビッチ15」②レベッカ・デモーネイ
ギルティ罪深き罪(1993年 サスペンス映画)

監督 シドニー・ルメット
出演 レベッカ・デモーネイ/ドン・ジョンソン

シネマ365日 No.3889

目には目を

レベッカ・デモーネイに弁護士役は似合わないとか、シドニー・ルメットの監督作品にしたら筋書きが単純だとか、あまり評価は芳しくなかったのだけど面白かったわ。レベッカとサスペンスは猫と鰹節なのよ。切っても切れない間柄よ。本作だって水を得た魚のようにシドニー・ルメットは仕上げているわ。音楽はハワード・ショアだし、刻々盛り上がるサスペンス感はさすが。マンションの8階から資産家の妻を墜落死させた殺人容疑者デヴィッド(ドン・ジョンソン)が、遣り手弁護士ジェニファー(レベッカ・デモーネイ)に弁護を依頼してくる。ジェニファーに言わせると「自己愛が強く軽薄で人を自由に操る」男だ。デヴィッドは自信満々に無実を主張する。圧倒的不利な条件で無罪を獲得したら弁護士としての名声が上がると考え、ジェニファーは引き受ける▼しかしデヴィッドの過去には彼と関係したセレブ女性がみな不審死を遂げていた。それを読んだように「完全犯罪を成立させて困るのは、それを誰にも言えないことだ」とジェニファーに挑戦するようにうそぶく。「お金がなくなると次の獲物を探すのね」「金を持て余している女は僕みたいな男が必要なのだ」「逮捕されたことは?」「ない。1、2度尋問されたことはあるが」。弁護士は規約によって依頼人を告発できない。守秘義務として未来に起こりうる犯罪に関しては告発の義務があるが、依頼人の過去の犯罪は秘密にしないといけない。よってジェニファーはデヴィッドが犯罪者だという確信があっても動きが取れない。デヴィッドはジェニファーと自分が特別な関係であるよう周囲に印象付け、私生活に入り込んでいく。ジェニファーが身の危険を覚え、妻殺し裁判でデヴィッドが有罪になるよう、巧妙に弁護の手抜きをするが、その結果彼女の恋人のフィルは襲撃され、右腕である私立探偵のモーは殺された。狙いは何? 追いつめあい、ジェニファーとデヴィッドの対決となる。ジェニファー「いつ奥さんを殺そうと思ったの?」「外出先で君を見た。裁判の勝利の祝賀会にいた君さ。評判は知っていたが実物を見るのは初めてだった。面白い計画が浮かんだ。妻を殺して君に弁護してもらうのだ。君の裁判を逐一傍聴した。僕たちは恋人同士だろ。ふたりで殺人計画を進めたのさ」「あなたのシナリオで私たちは踊らされたわけね」「君は高い弁護料を取り依頼人の僕を破滅させようとした。資格剥奪で将来は台無しだ」「訴えてみれば? 奥さんを殺す時なぜ手袋を外したの?」「感触さ。殺しとセックスはナマでやるに限る」。このサイコ男を生かしておいたら恐ろしい殺人を繰り返す。「君の恋人は暴漢に襲われ入院、親友は死んだ。裁判は陪審が解散して延期。君は気が滅入り自殺するのさ」。8階のベランダでデヴィッドはジェニファーの喉をつかんで突き落とそうとする。「証拠はコレよ。私の爪の中にあなたの皮膚がある。あなたの毛髪を握りしめている。そしてあなたの手首に私の歯型がついている」ガブッ。デヴィッドはひるんだがそこは男の腕力。ジェニファーを抱えて投げ落とした、と見えたが間一髪ジェニファーは男のジャケットの襟首にしがみついた。揺さぶられデヴィッドの両足がベランダの床から浮く。ふたりは共に落下した。空中でどう回転したのか、地上に激突した時は男が下、ジェニファーが上。頭蓋骨カチ割れで男は即死。最後は肉弾戦となった解決法がワイルドでした。デヴィッド役のドン・ジョンソンはこれ以上いやらしい男はいない、でも魅力的、というキャラが「本人そのものでは」と思わせるほどの適役でした。ジェニファーは目には目を、彼を葬ってやると、獰猛なまでの攻撃に移るのは、これまたレベッカ姐さんならでは。シドニー・ルメット監督は「オリエント急行殺人事件」でそれまでの社会派の問題提議から一転、都会派エンタテインメントに挑戦し成功しています。本作はその流れを組む成功作です。

 

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