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特集「最高のビッチ」

2022年4月9日

特集「最高のビッチ15」⑨ジェニファー・ローレンス2
世界にひとつのプレイブック(下)(2013年 恋愛映画)

監督 デヴィッド・O・ラッセル
出演 ジェニファー・ローレンス/ブラッドリー・クーパー

シネマ365日 No.3896

ふとよぎる孤独

ラストにちょっとしたどんでん返しがあります。コンテスト当日会場にニッキー夫妻が来た。ティファニーは動揺する。バーに走ってウオツカをダブルで2杯ひっかける。出場間近だ。焦って探しに来たパットとステージに。なんとかダンスを終え点数は5点。賭けをクリアした。アメフトも勝った。歓喜するパット一家。ティファニーがいない。父親が意味深に言う。「サインを見逃しちゃ、ダメだ。彼女の愛は本物だよ。ニッキーに愛はない」。あとを追ったパットは路上を走り去るティファニーを捕まえる。「手紙を読むよ」そんなもの今さらと、振り払おうとするティファニーに「手紙はもう1通あるのだ。読むよ」。「ティファニーへ。手紙は君が書いたのだね。クレージーな代筆をしたのだね。ありがとう、愛しているよ。出会った時から。僕が過去にとらわれて、気がつくのが遅くなってごめん。パットより」▼苦境を乗り越えるヒロイン役がジェニファー・ローレンスには多くあります。闇社会に陥った父を探す一家の家長たる長女「ウィンターズ・ボーン」。裏切った下請け工場のトップとサシで対し彼の詐欺と横領を暴いて逆転する若き女性起業家「ジョイ」。黒のマニッシュなパンツスーツを着こなし、サングラスをスッとかける仕草に「サングラスってこういうふうにかけるのだな〜」と意味もなく感心したのを覚えています。苦労して尽くしてきた妻が夫の狂乱にブチ切れ、家を灰塵に帰させる「マザー」。いずれも難しい役を生真面目にこなしていました。本作にしても社会復帰を望みながらトバ口のない未亡人、同じく心を病んだ男・パットに愛を感じるが、彼は元妻にまだのめり込んでいる。強気と居直りと攻撃力の隙間に、ふとよぎらせる孤独感が絶妙でした。ダンスコンテストで劇的に優勝させなかったこともよかったわ。でもね、親父に言われるまで行動を起こせなかった、そして妻の情事を目撃し精神病院に送られるほどの心の傷を負いながら、未練タラタラ後を追い回すなんて…このあたりの配役の妙が高評価につながったのかも。ジェニファー・ローレンスは本作で念願のアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。デヴィッド・O・ラッセル監督とは本作のあと「アメリカン・ハッスル」「ジョイ」と共作が続きます。息のあった監督のようです。邦題の「世界でひとつのプレイブック」の意味がわからんかったけど、にもかかわらず、素直に入り込ませたジェニファーに1票。特にダンスシーンが上手でした。

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