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特集「最高のビッチ」

2022年4月11日

特集「最高のビッチ15」⑪シェリー・ウィンタース2
ヘレンに何が起こったのか?(下)(1971年 劇場未公開)

監督 カーティス・ハリントン
出演 シェリー・ウィンタース/デビー・レイノルズ

シネマ365日 No.3898

ウィンタースの底力

ヘレンは言う「私たちに復讐したい誰かがいるのよ。殺されたエリー・バーナーをよく見たことある?  私たちのように働く女性で年齢も近い。だから私たちの息子は、本当は私たちを殺したかったのよ。エリーを殺したのは身代わりの復讐よ」。ヘレンはリンクとの恋愛が進展するアデルに「彼が腕のいい弁護士を雇えばウェスを救えるかも。でも息子が帰ってきたら、どうする?」棘のある指摘にアデルは腹をたて、同居を解消しようとする。ヘレンは不意に訪問した男性を、嫌がらせの張本人だと思い階段から突き落として死なせる。帰宅したアデルは驚倒し、警察に知らせるというヘレンを押しとどめ、近所の工事現場の穴に死体を遺棄する。だがその男性は保険会社から、わずかだがヘレンが相続する遺産があることを知らせにきただけだった。神経を失調したヘレンは陰気になり「私が喋れば大変なことになるわね」とアデルを脅す▼リンクがアデルにプロポーズした。今夜車を飛ばしユマに行き式を挙げよう。喜んだアデルが家に帰ってみると部屋のガラスは粉々、キッチンは血だらけ、ヘレンの姿は見えず、小屋のウサギはみな殺されていた。姿を現したヘレンは「子供たち(ウサギ)を置いていけない。私に何が起こったか知っている? レニーの父親とは彼が触れるのも我慢できなかった」「ヘレン、あなたが言っていることは、自分の夫を殺したってこと?」「やったの。私は罪深いと言ったでしょ。あなたは私に話もさせず聞こうともしなかった」。アデルは閉口し教会のシスターに「話を聞いてもらうわ。彼女に任せましょう。私はリンクと結婚するから、彼はあなたを助けるわ」。ヘレンの目が光る。リンクに電話しようと背を向けたアデルにナイフをグサッ。その後警官が、近所で発見された遺体の身元は、息子たちが殺害したエリー・バーナーの恋人だったと伝えにきた。「彼はあなたに復讐するつもりだったかもしれない。気をつけてください」と注意を残して帰った。アデルを迎えに来たリンクは、ベルを鳴らしても応答のない家に入る。暗い部屋。開けっぱなしの窓から吹き込む風は魔物を呼び覚ますようにカーテンを翻す。大きな音でヘレンがピアノを弾いている。振り向いてニッコリ。「アデルはまだリサイタルが終わっていないの」リンクが部屋を見回すと、飾り立てられたアデルが口から血を流したまま、マネキンのように立っていた▼幸せになり去っていくアデルへの嫉妬か、妄想か、憎しみか、一言では言えませんがヘレンは胸中に維持できないような緊張を抱え、いつ切れるかのハラハラが観客を引きずります。穏やかな風貌の彼女が、ラストのクローズアップでニヤッと笑った顔はド迫力です。一瞬の顔芸で底力を見せる女優なのだと再認識しました。監督がいい。カーティス・ハリントンはものすごく有名ではないかもしれませんが、シモーヌ・シニョレをハリウッドに招いた「悪魔のくちづけ」、アンソニー・パーキンスの「サイコXX」など、ミステリー、サスペンスファンには見逃せない映画を撮っています。

 

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