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令和4年4月のベストコレクション

2022年4月27日

特集「令和4年4月のベストコレクション」⑩
エターナルズ(2021年 SF映画)

監督 クロエ・ジャオ
出演 ジェンマ・チャン/サルマ・ハエック/アンジェリーナ・ジョリー/リチャード・マッデン

シネマ365日 No.3914

クロエ・ジャオは何が言いたかった?

壮大な物語であります。複雑多数な登場人物をわかる限り簡略に書くことにします。宇宙の創造主セレスティアルズの1人アリシェムがディヴィアンツとエターナルズを作った。ディヴィアンツは本作のヴィラン。ヴィランから人類を守るように命じられたのがエターナルズで7000年以上人類を見守り導いてきた。彼らには宇宙ビームの投射、飛翔、技術開発の発明、高速移動、変身などの特殊能力がある。ディヴィアンツを全滅させたエターナルズたちは解散し、帰還命令があるまで地球で人類に紛れて暮らしていた。そこへディヴィアンツが以前より強力な能力を備え再び姿を現した。エターナルズたちは再度結集し、壮絶な戦いが始まる。さなか、エターナルズのまとめ役であったエイジャック(サルマ・ハエック)が殺された。後任に指名したのがセルシ(ジェマ・チャン)だ。彼女はロンドンの博物館の職員として人間に溶け込んでいた。同じくエターナルズの一員、イカリス(リチャード・マッデン)とは一時結婚していた▼エイジャックが殺されたのは、彼女がアリシェムからエターナルズの真の目的を聞かされ、その実行に抵抗したからだ。真の目的とは「宇宙は10億年ごとに新しい創造主(ティアマット)を必要とする。自分はいくつもの惑星にティアマットの種子を植え付けてきた。今回宿主として選んだのが地球である。ティアマットの成長には知的生命(人類)のエネルギーが必要だ。エターナルズは彼らの発展を阻止する破壊者ディヴィアンツから人類を守ってきた。その結果人口が増え、ティアマット成長に充分なエネルギーが溜まったから、今こそティアマットはあと7日で出現できる」。正義と平和の守護神と自認していたエターナルズはびっくり。「え、私たちはティアマットの餌づくりのため働いていた殺戮者?」。新しい惑星の誕生のために古い惑星(地球)とそこに住む人類は滅びる。エイジャックは地球が好きだ。「ひとつの命の終わりがひとつの命の始まりだ」というアリシェムについていけない▼出現を止めようと考えたエイジャックにイカリスは「俺はアリシェムの教えについていく」と譲らず、エイジャックを殺したわけ。後任リーダーのセルシと他のエターナルズたちも驚いたが、親地球派と親アリシェム派に分かれ、エターナルズは分裂する。なぜ自分が後任に? 重圧に苦しむセルシにセナ(アンジェリーナ・ジョリー=あらゆる物質を武器に変える能力を持つ)は「愛する者を守るのは当然よ。地球にきたその日からあなたは人々を愛した。愛を守るリーダーに誰よりもふさわしいから」と励ます。力を結集しよう。ファストスは超能力を用いて、みんなの技術をひとつにするユニ・マインドを構築した。ティアマットが火山群から生まれる時がきた。セルシは単身噴出する溶岩の前に立ち、両手を大地に押し付けた。彼女の能力は全ての物質を変換させることにある。プレッシャーに苦しんでいたセシルの弱さはもうない。全身全霊を振り絞り、彼女は大地も山も氷山に変えた。ティアマットは凍結し出現は阻止された。地球滅亡阻止に反対したイカリスは悔い、神話の通り太陽に向かって去る。エターナルたちは、他の惑星のエターナルを探す旅に出るセナたちの組と、地球に残るセルシ、ファストスらの組に分かれる。旅に出る宇宙船を見送ったセルシたちはセルスティアズに召喚され「記憶を確認する」と言われ地球上から消された…▼クロエ・ジャオ監督の思想と意図は明らかです。どんな崇高なミッションにも組織にも歪みはある、黒幕がおり、仲間は主張を食い違わせ、分裂し、お互いが疑惑にまみれ、自分は真に何を望むかの、瀬戸際の問題に向き合わざるを得なくなる。自分が自分である基盤を確認せざるを得なくなる。人類は愚かで地上には戦争と殺し合いが絶えない、利権と我欲のため他国に侵入し、母たる地球を破壊して顧みない。しかし笑い合う時もあった、愛する者を守るために戦いもした、理解しあうこと、たとえ見知らぬ同士であっても、悲しみに寄り添い、助け合うことが決して不可能な星ではない…。それがクロエ・ジャオのメッセージと受け止めました。壮大な叙事詩の次の展開を待ちます。

 

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