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特集「別室でミステリーを」

2022年5月23日

特集「別室でミステリーを5」③
女は夜の匂い(1962年 ミステリー映画)

監督 ミシェル・ドビル
出演 ミレーヌ・ドモンジョ/ジャック・シャリエ/マリー・ラフォレ/ヘルムート・グリーム/ジュリエット・メニエル

シネマ365日 No.3940

華やかなり60年代

特集「別室でミステリーを5」

ミステリーとも言えぬちゃちなミステリーですが、60年代映画華やかなりし頃の人気女優たち競演しています。レミ(ジャック・シャリエ)は誰も愛さない自己愛の男。婚約者リゼット(ミレーヌ・ドモンジョ)がいるのに金持ちの娘アガト(マリー・ラフォレ)と一夜を過ごし、レミを愛するクロエ(ジュリエット・メニエル)に責められ都合のいい口実を作って取り繕う。アガットの屋敷で男の死体が発見され、クロエはレミを犯人と証言する。警察の隙を見てレミは逃走、女の家を泊まり歩き真犯人を突き止めようとする。夜会で見かけて長身金髪のハンサム男ヨアン(ヘルムート・グリーム)がくさいとレミが目星をつけるのは、彼の妻セシリア(ジル・ハワース)に気があるからだ▼どうしようもないチャラ男レミに、アガタやクロエが真犯人をあげ彼の潔白を証明しようなど、馬鹿らしいにもホドがあるが、ミレーユ・ドモンジョの降りこぼれるような愛らしさがスクリーンに色彩を放っている。彼女は27歳、マリー・ラフォレは23歳だった。何のことはない、嫉妬に狂ったクロエが過失致死で夜会に来ていた男を殺してしまい、偽証してレミに罪をなすりつけようとしただけのお話。ジャック・シャリエは一時ブリジッド・バルドーと結婚したが2年くらいで別れた。ハンサムな俳優なのだが、美貌に凄みも毒も陰影もなく、これといった代表作は覚えていない。ドモンジョは86歳(2021)で健在だ。アラン・ドロンやジャン=ポール・ベルモンドや、後年では「あるいは裏切りという名の犬」でダニエル・オートウィユと競演、「ルージュの手紙」では、カトリーヌ・ドヌーブさえ可愛く見える、年齢を超越した存在を示した。だが本作で1人だけあげるならヨアンを演じたヘルムート・グリームだろう。「地獄に堕ちた勇者たち」のメフストフェレスのような親衛隊長もよかったが、「ルートヴィヒ」の忠臣デュルクハイム大佐が忘れがたい。王から離反していく側近ばかりの中で、最後まで信義を貫くゲルマン男子。彼はルートヴィヒの感性が政治と統治ではなく詩と芸術にあることを理解していますが「平凡な人間の存在理由を見出すことこそが国王の務め」と、政務に脱線するルートヴィヒを諭す。「女は…」が彼のデビュー作です。ぱっと見だけでも(ひょっとして彼が犯人?)と思いたくなるほどの吸引力がありました。

 

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