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令和4年6月のベストコレクション

2022年6月14日

特集「令和4年6月のベストコレクション」⑭
クライ・マッチョ(上)(2021年 西部劇映画)

監督 クリント・イーストウッド
出演 クリント・イーストウッド/ナタリア・トラヴェン

シネマ365日 No.3962

帰ってきたイーストウッド

アメリカン・スナイパー」「ハドソン川の奇跡」「15時17分、パリ行き」「リチャード・ジュエル」など、一時期「事実に基づく映画」を作っていたクリント・イーストウッドが「許されざる者」からざっと30年、カウボーイに帰ってきた。イーストウッドはホームタウンに戻ったように、のびのび呼吸しています。「ローハイド」から荒野のいわゆるドル箱3部作を経て、彼の映画の活気と楽しさは、別にアカデミー賞なんて取らなくたっていいじゃん、なんて思わせたものよ。彼は落ちぶれた世を拗ねた男が好き。本作もその典型です。昔のロデオ・スター、マイク(クリント・イーストウッド)が、今は馬のブリーダーをして細々と食いつなぐ。元雇い主はワードが、メキシコにいる別れた妻レタとの間の、13歳の息子ラフォの連れ戻しをマイクに頼む。小屋みたいな家にマイクは住んでいるが「この家の金を俺が払ってやっただろ。落馬はする、妻子は失う、酒と薬でボロボロになったお前と、みんな縁を切れと言ったが、俺はそうしなかった」つまり、恩を返してくれというわけだ▼メキシコに行く。豪邸に住むレタと用心棒らはマイクをケタケタ笑い「答えて、カウボーイ。ハワードはどうして愛してもいない息子を取り返すの?」「彼は変わろうとしているのさ」「息子は汚い路地裏で生きる獣よ。賭け事、盗み、闘鶏。あの子は父親も私も憎んでいる」。リタこそ男遊びと酒浸りの女。野獣めいていて親に向かない女性です。ラフォを探し当てたが態度が悪い。マイクを「アメ公のジジイ」と呼ぶ。お前の父親はテキサスの大牧場主だ、馬も牛もいるとマイクが話すと、カウボーイに憧れる少年は闘鶏のチャンピオン「マッチョ」を連れて家に帰ると了承し、マイクとテキサスを目指す。途中、砂漠のダイナーでマルタ(ナタリア・トラヴェン)に出会う。店にレタの差し金で警察が訪れると、マルタは2人の捜索だと察し店を「閉店」にする。マイクはどことなくマルタに惹かれる。出発したものの車のガソリン漏れがわかる。しばらく町にとどまることにする。通りかかった小さな牧場で野生馬の調教をしていた。「暴れ馬だから売りにくい」と牧場主はこぼす。マイクが楽々と乗りこなし「他の馬もしつけてくれ」と頼まれる。ラフォは馬上のマイクを見上げ(マッチョだ)と感嘆した▼マルタが裏庭の小屋を提供してくれた。彼女は娘夫婦も夫も亡くし、ひとりで14、15歳くらいの少女をかしらに孫3人を育てている。保安官補という人相のよくない男が入ってくる。マルタは「余計なことをしたら店で食べさせてやらない」と凄んで追い返す。次に男は無愛想な女房と彼女が抱く大きな犬を連れてきた。「女房の犬を助けてくれ。出ないと俺が怒られる」。動物の扱いに慣れたマイクは、老齢だけは治しようがないが「充分休養させて、夜はベッドの足元で寝かせてやれ」とアドバイスする。ラフォはマルタの長女と仲良くなり、マイクはマルタとダンスする。「マディソン郡の橋」メキシコ版だ。「カウボーイは自分で料理するんだ」マイクは台所で簡単な料理も作った。〝イーストウッド印・ほんのり味〟エピソードが嫌味なく挿入されます。でも、いずれ出発せねばならない。

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