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特集「ナンセンスは素敵だ」

2022年6月18日

特集「ナンセンスは素敵だ8」②
チェーンヒート2(1993年 サイコ映画)

監督 ロイド・シマンドル
出演 ブリジット・ニールセン

シネマ365日 No.3966

ふしぎな感慨

特集「ナンセンスは素敵だ8」

前作「チェーンヒート」(1993)の続編かと思ったら全く別物なのね。乗りかかった船だ、見よう…お、ひょっとするとドキュメンタリー? だって冒頭物々しくこうでる「9月10日金曜日、プラハの高等裁判所においてカレン・ロットスキーは10年の有罪判決を下された。罪状は多量の麻薬不法所持である。カレンと弁護士の否認にもかかわらず法廷から刑務所に移送された。身に覚えのない証拠品が示されたが検察側の捏造だった。同様の手で無実の罪を着せられたのは7カ月間に若い女性ばかり11人に及んだ。彼女らは腐敗した体制の遺産であるラジック刑務所に送られた。同刑務所は共産主義の崩壊により新たな役目を持った。所長のマグダ・カッサールは新政党に取り入ることに成功した。東側の新時代の象徴となるはずだったラジック刑務所はもはや刑務所とは言えなくなった。自由への代償は罪のない女性たちの命を引き換えなのだ。またひとり、若い女性が罠に落ち、マグダ所長の犠牲者となるのだ」この悪名高いマグダ所長がブリジット・ニールセンだ▼新入りのアメリカ娘アレックスを見る女囚は興味津々。女囚だけでなくマグダ所長の補佐役ローザがアレックスに目をつけ、いびろうと手ぐすね引いている。でもマグダ所長は厳かに「あの子は私の好きにするわ」。同房のティナ「刑務所は売春宿よ。女囚を使ってポルノを撮っているの。麻薬中毒の所長はローザに鞭打たれて喜ぶ変態よ。館と呼ぶ別館に選んだ女囚を連れて行き、客人の相手をさせ、思いつく限りのいやらしいことをさせるの」。地獄のような刑務所、なのだがちょっと待て、そもそも〝囚人上がり〟というローザが所長の右腕となり、女囚を仕切れるものなのか。看守は他におらんのか。よく見れば囚人は全員ミニスカートではないか。ボボというトランスの女性は所長の衣装係となり、特別扱い。独房で絵を描き、服をデザインして、アレックスに「私の名を出せば誰も咎めないわ」と好意的だ▼どこが地獄の刑務所だ。ローザひとりが所長を独占しようと、彼女の気に入りのアレックスを目の敵にするが、ボボがちょいと顔を覗かせると悔しそうに手を引っ込める。問題は館のサドマゾ・パーティーで、女囚たちはここで何人も殺された。やってくる客はアメリカ大使館の外交官、アレックスに有罪を言い渡した裁判官、政界の大物と言ったサイコ男たち。アレックスの姉スーザンは逮捕された妹を救いだそうと保釈のツテを当たったが、大使館も裁判所もグルだからできるはずもない。ひとりだけ、行方不明になった妹をポルノ映画の中に見つけ、探り出そうとしたら行き着いたのは死体公示所だったという男性が、スーザンに協力する。彼はスーザンに女囚服を着せ、自分は看守に変装して刑務所に潜入する(できるのですか、こんなこと?)。アレックスはパーティーで所長をメロメロにさせ、と言っても刺激的でも情熱的でもない絡みシーンで、ブリジット・ニールセンがもぞもぞしているうちにドテーンと昇天。芸もヘチマもない▼刑務所内ではスーザン姉さんがボーイフレンドと討ち入った。彼は大量の武器弾薬を仕入れており、女囚たちに銃を持たせ手榴弾を投げまくり、派手な銃アクションが展開する。なんで、いつの間に、などの疑問を挟む余地なし。所長はあっけなく撃ち殺され、女囚たちはめでたく集団脱走「スーザンとアレックスはチェコを離れた」という字幕でエンドになる。ううう、むむむ…こういう映画もあるのだ。ふしぎな感慨に覆われた。

 

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