女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

特集「ナンセンスは素敵だ」

2022年6月19日

特集「ナンセンスは素敵だ8」③
ヴェルヴェットの森(1973年 劇場未公開)

監督 アンソニー・M・ドーソン
出演 ジェーン・バーキン

シネマ365日 No.3967

タイムレス

特集「ナンセンスは素敵だ8」

タイトルをちゃんと書くと「ジェーン・バーキンinヴェルヴェッドの森」です。内容と無関係のひどい邦題です。寄宿学校を退学になったコリンガ(ジェーン・バーキン)が叔母マリーの暮らす古城に来る。母のアリーシャもきており一緒に城で夏を過ごす予定だった。精神を病むマリーの息子ジェームズ、彼の治療にあたる住み込みの医師フランツ、ジェームズのフランス語教師スザンヌ、城付きの教会の新任の神父マクグリフが集まる。冒頭真っ暗な地下室に横たわる男の死体。周りを這い回る何匹ものネズミ、死体は喉を食い破られ顔もかじられ見るも無残。ゾクゾクするようなオープニングです。でもあとが続かない。どうしようもなく、しょうもない映画なのだけど、どこか憎めない、まるっきりバカにしたものでもないという、フクザツな作品がありますが、本作がそう▼母のアリーシャが殺される、夜中に枕で窒息死だ。城で働くアングスが首を切られて殺された。続いて料理人のカンベルが、スザンヌが殺される。精神を病むというジェームズはサーカスにいたオランウータンを飼っている。誰かが鍵を開けたすきにオランウータンは歩き廻り家人を驚かせるが、唐突に死んでしまう。フランツ医師はマリーの愛人だが、スザンヌと情事にふけり、現場をマリーに見られる。棺に入れたはずのアリーシャの遺体がなくなる。コリンガは自分の一族が代々伝わる吸血鬼の家系だということを気に病む。コリンガに一目惚れしたジェームズは彼女を力づけ、真犯人の目星はついた、だからでもないだろうがコリンガを口説いてベッドを共にする。とにかく盛りだくさんで飽きさせない工夫に敬意を表するが、いつまでたっても真相らしきものは見えてこない。どうでもいいわと思う頃、犯人は神父だと判明する。なぜ彼が。彼も一族の1人であり、皆殺しにして財産を狙っていたという、ゲンナリするチープな結末だ。何をどう推理し、犯人の目星をつけたのか、ジェームズ君、説明してくれない? イタリア映画だがフランスからジェーン・バーキンとセルジュ・ゲンズブールを招いたジャッロ。バーキンは27歳だった。この10年後に「ラ・ピラート」があり彼女は面目を発揮する▼あんまり安っぽい映画に出てほしくないが、本人は屈託なくカンヌ系もあればハリウッド系もあり、アルバムも出し機嫌よく今年(2021)75歳。古城の庭を走って逃げる後ろ姿が「ラ・ピラート」の甲板を走る姿とモロ一緒だった(当たり前だけど)。妙なシーンでタイムレスを感じた。

 

あなたにオススメ