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特集「最高のビッチ」

2022年7月27日

特集「最高のビッチ16」⑩ ベティ・デイビス
札つき女(1937年 犯罪映画)

監督 ロイド・ベーコン
出演 ベティ・デイビス/ハンフリー・ボガート

シネマ365日 No.4005

どこかで会えるわ

特集「最高のビッチ16」⑩

ニューヨークの闇社会を仕切るボス、バニングがナイトクラブを買収した。ホステスが5人。メアリー(ベティ・デイビス)もそのひとりだ。バニングのやり方は「俺に従う限り面倒見てやる。従わないなら仕事はない。君は歳を取っているな。もう要らん」クビにするのをメアリーが「彼女の実力も知らないのに追い出すの」と庇った。バニングはメアリーに興味を持って食事に誘うが「あなたとは仕事上の付き合い」と断る。バニングの店で働くのは大変だとわかっていた。「でも一歩先を読んで、充分生きていけるお金を貯めるまで奴らを操るわ」とメアリーは度胸を決める。クラブの支払いに、不渡り小切手を掴ませた客がその夜のうちに殺された。最後に一緒にいたメアリーに容疑がかかり拘束された。グラハム検事(ハンフリー・ボガート)はバニングの所業に業を煮やしている。殺人、強盗、恐喝、傷害、やりたい放題なのに陪審員を買収し、悪徳弁護士を抱え、裁判はいつも無罪。彼の店で働くメアリーに情報提供の協力を頼むが「あなたは何をしてくれた? 私たちを見下して粗末に扱うだけ。首を突っ込まないでちょうだい。好きに生きさせてもらうわ」自分達が世間からどう見られているかは承知だ、でも屈服しない、アウトサイダーにはアウトサイダーの意地と誇りがある。ベティ・デイビスの面目キラリ▼メアリーは仕送りをして妹ベティを大学に通わせている。久しぶりに妹が訪ねてきた。アパートに同居するメアリーたち5人は、ショーを計画する洋品店のデザイナー仲間だと口裏を合わせる。その妹が姉の留守中、バニングのパーティーに行った。誘ったのは同居のエミール・ルーだ。バニングが客をとることをベティに強要し、揉み合いになり、ベティは階段から転げ落ちて人事不省。救急車も呼ばず「余計なことするな」とバニング。帰ってこない妹を血眼になって探したメアリーはグラハムを訪ね、遺体となって発見されたことを知る▼メアリーが例の不渡り小切手男殺害容疑で起訴された。「釈放させろ」とバニングは弁護士に指示する。「言う通り証言すれば悪いようにはしない。川に浮かぶ女と同じ目に会いたいか」圧をかける弁護士。メアリーは筋書き通り証言し無罪。妹を失ったメアリーをホステスたちが慰める。「バニングに罪を償わせる」と、目を据えるメアリーにひとりが言う「私は彼と一緒に抜け出そうとした。彼はバニングの部下だった。すぐ殺された。生きていたいなら従うしかない」。そこへバニングが来た。「メアリー、二度と検事に近づくな。お前らもだ」怒りに任せ「全部ばらしてやる」そう言ったメアリーを屈強な男たちが暴行した。エミール・ルーは身を隠した。重傷を負ったメアリーの病室にグラハムが来る。メアリーの頬に残る十字形の傷が、原題Marked Woman(印のついた女)だ。今度こそメアリーは腹を決めた。バニングの追手を逃れエミール・ルーが来た。ふたりの証言を得たグラハムは起訴に踏み切った。検事側証人席に5人の女が並んだ。エミリー・ルーの目撃証言とメアリーの顔の傷が決め手となった。バニング有罪。「終わった。帰ろう」女たちは裁判所を出た。グラハムがメアリーを呼び止めた。「どこへ行く」「どこか」「仕事は?」「なんとかやっていく」「協力したいのだ」「なぜ」「立ち直るなら今だ。それを見届けたい」メアリーはやるせなく男を見つめ「私たちは住む世界が違う。どこかで会えるわ。さよなら。またね」。背を向けて去った▼乾いていますね。自分が養う妹にさえ職業を非難される姉。男の暴力と支配に従うしかない収入の道。グラハムの愛を感じながら冷静に突き放す、自分を見失わない女をベティ・デイビスが好演しました。引け目を持つ女たちが、本業を言いたくないメアリーの気持ちを察し、ファッションショーに着る衣装を選んでいるのだと、クラブ出入りのレンタル屋を追い返す連帯感なんか、なかなかでした。ベティ・デイビス、ヴェネツィア国際映画祭で女優賞受賞。

 

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