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特集「やり返す女」

2014年9月16日

特集「やり返す女」ハード・キャンディ(1999年 コメディ映画)

監督 ダーレン・スタイン
出演 ローズ・マッゴーワン/レベッカ・ゲイハート/ジュディ・グリア/パム・グリア

生き生きアウトサイダー

バカバカしいのですがつい最後までみてしまうブラックな映画。だれがだれに「やり返す」のかというと、つぎの図式になります。学園の女王コートニー(ローズ・マッゴーワン)、ジュリー(レベッカ・ゲイハート)、マーシーにエリザベス。マーシーはコートニーのパシリのようなもので、ジュリーは表向き彼女らと調子を合わせている。エリザベスはきれいで学力優秀なうえやさしい。グズでダサくてのけもののファーン(ジュディ・グリア)が、つきとばされたはずみに落としたノートや本を、いっしょに拾ってあげる。ファーンはエリザベスが大好きになった。よくやる誕生日の出し物「誘拐ごっこ」をエリザベスの誕生日にやろうと決めた3人。覆面してエリザベスの自宅に侵入(昼日中、なんでエリザベスが寝ているのかなんの説明もないが、いちいちそういうことにかまっていてはいけない映画らしい)▼原題の「ジョー・ブレイカー」とは「あごを砕く」。にぎりこぶしくらいの大きな硬い丸い飴玉がそれ。3人はエリザベスの口に巨大飴玉をおしこみ猿ぐつわをかましてしばりあげ、車のトランクに運び込む。スーパーの駐車場に着いてトランクを開け「ハッピーバースデー」とやるつもりだった。でもエリザベスは窒息死していた。ジュリーは事故だから警察に届けようという。コートニーは一蹴。彼女の役割は「悪の女王」ですからまともな理由はいらない。再びエリザベスの家にもどりレイプにみせかける細工をする。そこへ先生のお使いでエリザベスに宿題を持ってきたファーンが一部始終を見てしまい、彼女らの会話から「殺人」だと知る。コートニーはファーンを抱き込もうと自分たちの仲間にしてやる、これでアンタは学園のアイドルだともちかける。エリザベスの死と入れ替わりに完全変身したファーン。ブロンドのショートカット、ピンクのミニドレス、細身の長身、真っ赤なルージュ、磨き上げたファーンのなんとファッショナブルなこと。だれもファーンだと気づかず「謎の転校生ヴァイオレット」として学校中が注目する。車屋と寝て真っ赤なシボレー・コルベットを手に入れたファーンの行動は爆走し、コートニーの説教さえ「ふん」鼻であしらい「あんたの殺人、いつでもばらすわよ」と逆に脅しあげるのだ。コートニーについていけないジュリーもボーイフレンドに事実をうちあけ反旗を翻す。コートニーも黙っていない。ジュリーの宣戦布告に「勝負はプロム(卒業パーティ)でつけましょう」と受けて立つ▼ある朝ファーンが登校すると正門から校舎の壁という壁にポスターが貼られ「ヴァイオレットはファーンだ」と正体を暴露している。学校中からてのひらを返すような嘲笑を浴び元の「いじめられっ子」にもどったファーン。ジュリーはファーンを励まし「コートニー撲滅共同戦線」を張る。いよいよプロム当日だ。彼女らが「キャリー」へのオマージュとして「豚の血をかけよう」などと作戦を練るシーンがある。決め手となったのはコートニーがエリザベスを殺したと広言しているテープ。プロムクィーンに選ばれたコートニーのスピーチの最中、マイクにたくみに流し込まれた「殺人証言」にパーティ会場は怒号の渦…(ンなばかなことあるかよ)という破茶滅茶エピソードの連続なのですが、ファーンとジュリーの復讐は充分クライマックスを盛り上げ、プロムの女王は見るも哀れな追放処分(笑いますけどね)▼主役級3人はこのとき全員20代。ローズ・マッゴーワンの学園青春ものにおさまらない、悪女キャラとしてのコートニーや、ジュディ・グリアが超ダサい女に変装するなど、いま見てもけっこう見応えがあります。パム・グリアが女刑事で出演しています。出ても出なくてもどっちでもいいような役でしたけど。10年後の「 Lの世界 」での貫禄はないかわり、鋭い顔貌で刑事の雰囲気だけはバッチシ出ていました。完全おバカ映画ですが、妙におもしろいばかばかしさがあります▼ダーレン・スタインはBFIフレア・ロンドンLGBT映画祭の上映作品「G.B.F」(ゲイ・ベスト・フレンド)の監督。フロム間近の学園でゲイの友達は女子の必携アイテムともてはやされ、ゲイ男子ターナーの争奪戦が繰り広げられる。ここでもダーレン・スタイン監督の軸足は「ゲイ映画ではなくアウトサイダーを描きたかった」。なるほど、本作のコートニーなんかアウトサイダーの最たるものでしたね。

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