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シネマ365日

2014年9月23日

誘惑の接吻 (2000年 家族映画)

監督 タムラ・デイヴィス
出演 ジェニファー・ジェイソン・リー/ミーシャ・バートン/ドリュー・バリモア

15歳と14歳の父と母 

 「誘惑の接吻」なんて一時代前の日活映画みたいだな。映画の内容に全然関係ないしね。もう少しマシな邦題を考えてくれや。この映画、ミーシャ・バートンが14歳のときですね。ちょっと話はそれるけど「20代・ハリウッド8人の女たち」というリストを作ってみた。(年齢は2014年1月現在)。シアーシャ・ローナン(19)「 ハンナ 」。ジェニファー・ローレンス(23)「世界にひとつのプレイブック」。エマ・ワトソン(23)「 ハリー・ポッターシリーズ 」。ミーガン・フォックス(27)「 ジェニファーズ・ボディ 」。アマンダ・セイフライド(27)「 レ・ミゼラブル 」。キーラ・ナイトレイ(28)「 つぐない 」。スカーレット・ヨハンソン(28)「 ヒッチコック 」。ルーニー・マーラ(28)「 ドラゴン・タトゥーの女 」。このなかにミーシャ・バートン(28)をいれて「9人の女」にしたかったのだが、他の女優とくらべてためらうものがあった。理由はいくつか思い当たる。代表作がない。子役から大人への移行期につまずいている。私生活が安定しない。逮捕歴がある。要は足を引っ張る要素が多すぎて大成しないモデルケースみたいなのだ。本人に本当の欲がないのかもしれない。ジョディ・フォスターなんか12歳のころから「わたしは子役じゃない、女優よ」なんてキッパリ宣言していたからね。あの根性。少女時代のジョディの代表作に「タクシー・ドライバー」がよくいわれるが、それより「 白い家の少女 」がすごかったと思うな。ヒロインと等身大の年齢で(13歳くらい)冬の海を思わせる孤独感を、全身で表現するガキなんか空恐ろしくなる。ミーシャ・バートンは、でも数こそ多くないかもしれないがミーシャの大ファン、いわゆる濃いファンがいるのだ。確かに「 翼をください 」のヒロイン「マウス」なんか、助演とはいえ燐光を放つような美しさで、完全に主演をかすませていた。将来どんな女優になるだろうと見惚れるばかりだったが、それと同じショックを受けたファンは少なくないと思える。本作は「翼」に先立つ一年前につくられた。だから14歳である。これより先に「シックス・センス」がある。幽霊のゲロ吐き娘がミーシャだ。本作にせよ、酷評する映画ではないと思う。問題はミーシャがいつまでもいい年をして、青春映画もどきから抜け出せないことだろう。考えてみれば彼女の出演作は大なり小なり、本作の後日譚みたいなものが多い▼本作は14歳で父と母になる少年少女の映画です。時代は1963年ノースカロライナ州。裕福な祖父の家に自由奔放な母リディア(ジェニファー・ジェイソン・リー)と暮らしている14歳のサム。祖父は知事選に出馬するため男出入りの絶えない娘と父親のわからない孫をワイオミングの田舎に遠ざける。母と息子がやってきた町で、転校生のサムは隣家のモーリー(ミーシャ・バートン)が好きになる。ケネディ暗殺のニュースを見て泣くモーリー。ひとつも心を動かさないボーイフレンドのドーソンより、いっしょになって受け止めてくれたサムに親しさを感じる。サムの母親リディアというのが「わたしをママと呼ばないで」と厳しく息子にいいつけ「お前を産んでもわたしはまだ20代よ」と強調する。だからモーリーと同じ年頃にサムを産んだのでしょう。セックスに興味のあるふたりは練習しているうちにモーリーは妊娠。このサムというのが現実社会では絶滅するしかない天然シュガーボーイ。大学には行かない「責任とって結婚するよ」と軽く言う(言わないよりましか)が、みているほうがユーウツになるヘタレなのだ▼妊娠して目を泣きはらすモーリー。中絶のため病院に行ったら教師と不倫して中絶にきた母親と鉢合わせする。ショックで引き返したモーリーは産むと決める。最大の味方になるのがサムの母リディアだ。彼女のアドバイスを守らなかったためにモーリーは妊娠してしまったのだが、いまさら…リディアはモーリーを自分の娘のように世話する。モーリーの実母は不倫相手の教師から捨てられ精神に失調をきたして入院。この映画けっこう暗いのだ。リディアのペップ・トークが冴えている。妊娠して中絶しようとしたことが知られたモーリーは、学校に行っても好奇の目にさらされる。朝モーリーと息子を送って車から降ろしたリディアは「白い目で見られても堂々としているのよ」とモーリーを励ます▼モーリーは娘を産む。祖父が田舎での娘一家の風評をききつけ、サムを全寮制寄宿学校にいれるためワイオミングにやってくる。どこにもいかないというサムに、モーリーは「18歳になったら戻ってきて」と言う。母親は息子の肩をもつが「そうか、じゃ、今月からお前が部屋代も食事も生活費もみな払え。だれの世話にもならず生きていくようになってから好きなことを言え」と親父にガツン!と一発食らう。リディアにも先住民の恋人ができた。リディアはウェイトレスで働くことにした。モーリーは学校に戻りチアリーダーである。練習中は赤ん坊の面倒をサムが見る。15歳の父と14歳の母だ。脳天気な青春映画にみえるけど切実な内容がおおげさにならずに語られている。とくに子供を産むと決めてからのモーリーの落ち着きがいい。