女を楽しくするニュースサイト「ウーマンライフ WEB 版」

  • facebook
  • twitter
  • line
  • rss

コラム

2011年8月2日

「与謝野晶子」という女性

堺市立文化館
与謝野晶子文芸館

与謝野晶子のイメージを、詩が好きな知人に問うたら「先進的で活発なスーパーウーマン」と返ってきた。確かに、夫となる鉄幹の後を追い、堺から単身上京して結婚、詩を始め童話や小説、評論も書き、絵画も嗜んだ。終の住処となる家の設計の原案も手がけた。生活の資とするため書きまくらねばならないこともあったが、それも本人にパワーがないとできないことだ。
与謝野晶子文芸館の学芸員・森下明穂さんは「確かにそういった面も事実ですが、とても女性的だったんです」と語る。「晶子は鉄幹を尊敬していましたから、常に一歩引いてました」。例えば、晶子に講演会の依頼があっても、鉄幹と一緒でなければ受けなかったそうだ。
それに、与謝野家は裕福ではなかった。情熱的な歌集や評論を次々発表し、世間の耳目を集める晶子に対し、鉄幹は古典の研究に没頭。あまり光の当たらない内容ゆえ、仕事が少なかったのだ。
「それでも、楽観的といいましょうか、楽しんで生活していたようです」。
11人いた子どもたちは、自分たちを貧しいと感じなかったと回顧している。心の豊かさを存分に与えられていた証だ。
夫を愛し慕い、子を慈しみ、苦しい家計をやりくりする。膨大な仕事をこなす一方で、その根幹になっていたのは晶子のやさしさ、おおらかさだったに違いない。
そういった一面を知ることができる展覧会「晶子さんのお宅拝見」が、9月11日まで同館で開催中。

あなたにオススメ